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戻ってきた絶対エース…初招集のFW小川航基に森保監督が出した“注文”

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森保ジャパン初招集を果たしたFW小川航基(磐田)

 誰もが得点への大きな期待を抱き、ストライカーのプレーを目で追っていた。昨年5月24日に行われたU-20W杯グループリーグ第2節のU-20ウルグアイ戦。3日前に行われた初戦の南アフリカ戦でチーム初ゴールを記録していたFW小川航基(磐田)は、この試合でもスターティングメンバーに名を連ねて最前線にポジションを取っていた。しかし前半16分、着地した際に左足を負傷して倒れ込むと、そのままピッチを後に。検査を受けた結果、左前十字靭帯断裂および左ヒザ半月板損傷と診断されると、その後クラブから全治6か月であることが発表された。

 公式戦復帰を果たしたのは約10か月後、今年3月14日のルヴァン杯第2節札幌戦で、後半17分からピッチに立った。その後は徐々に出場機会をつかみ、4月4日のルヴァン杯第3節甲府戦ではフル出場を果たすなど、J1リーグでは7試合(227分)、ルヴァン杯では3試合(208分)に出場し、トゥーロン国際大会に参加する森保ジャパンに初招集された。

 森保一監督は小川について、「ケガから復帰して、チームの中で試合に出ているし、90分を通して試合に出ている」と話しながらも、「だけど、まだまだ本人のイメージと実際のプレーというところにギャップがあるところも見受けられるので、今回のトゥーロンの大会を通して、自分のイメージとプレーがマッチするようにしてほしい」と、ピッチ上で見せるプレーをイメージに近付けてほしいとの“注文”を出した。

 約1年前、ウルグアイ戦で負傷した小川は、続くGL第3節U-20イタリア戦をスタンドから観戦。試合後には囲み取材に応じ、「U-20W杯も本当に大事な、自分の人生を賭けたいくらいの気持ちを入れていた」と悔しさを見せながらも、「でも、東京五輪が3年後にある。東京五輪で爆発できるように、この(離脱)期間を無駄にしない」と気持ちを切り替えて、前だけを見ようとしていた。大舞台のピッチに立つために――。負傷を癒した同世代の絶対エースが、東京五輪に向けて新たなスタートを切る。

(取材・文 折戸岳彦)
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