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マルセイユ10番MFパイェは涙の負傷交代…思い出される“2年前”の悲喜

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涙を流してピッチを後にするマルセイユMFディミトリ・バイェ

[5.16 EL決勝 マルセイユ 0-3 A・マドリー]

 2年前とは異なる涙を流しながら、MFディミトリ・パイェは試合途中でピッチを退いた。自国開催で快進撃を見せた当時の“レ・ブルー”とは対照的に、10番を失ったこの日のマルセイユはほとんど輝きを放つことができなかった。

 2016年6月10日、フランスサッカーの聖地・サンドニで行われた欧州選手権のフランス対ルーマニア戦。大観衆が詰めかける開幕戦を迎えた開催国代表は、1-1のまま終盤を迎えていた。このまま行けば痛い引き分けスタート。だが、ここで戦況を一変させたのがパイェだった。

 後半44分、PA外の右斜め45度から左足を振り抜くと、ボールは一直線にゴール左上隅へ突き刺さる。スコアは2-1。アディショナルタイムに大観衆からスタンディングオベーションが贈られると、人目もはばからず涙を流した。メンバー当落線上だった立場を振り返ってのものだった。

 そんなパイェに1年11か月後、悲劇が訪れた。自国のリヨンで迎えたUEFAヨーロッパリーグ決勝、マルセイユは前半21分に不用意なミスから失点。同点に向けて攻勢をかけようという矢先だったが、同31分、背番号10がアクシデントに見舞われる。

 かねてより傷めていた股関節の痛みが突然再発し、プレーを続行することが不可能に。MFマキシ・ロペスとの交代でピッチを退場。落胆する観客からは大きな拍手、共にフランスを背負うFWアントワーヌ・グリーズマンからは励ましの言葉が贈られたが、当の本人は悲嘆の涙に暮れながらベンチへ向かっていった。

 大舞台で決勝で涙の退場――となると、欧州選手権でのポルトガルFWクリスティアーノ・ロナウドが思い出されるが、その負傷がパイェとの接触だったのもまた奇縁か。悲劇の10番にとっては、明日17日に予定されているフランス代表のメンバー発表に向けても、影を落とす結果となってしまった。

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