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プレデター18の魅力を語り尽くせ!!内田篤人がスパイクの“プロ”と緊急座談会

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アディダスの「プレデター18.1」を手に持つDF内田篤人

 アディダスが2017年11月に発売した「プレデター18.1」は、アディダスの伝統とイノベーションを融合した新しいサッカースパイクだ。1994年に登場した初代プレデターからの系譜を受け継ぎつつ、最新のテクノロジーを搭載。まったく新しいプレデターに進化を遂げ、ボールコントロールコンセプトのスパイクとして確固たる地位を築いている。DF内田篤人(鹿島)も昨年11月から実際に「プレデター18.1」着用し。履き心地の良さとボールコントロール性能の高さを実感している。

 ゲキサカでは今回、アディダスでスパイク開発を担当する山口智久氏、日本初のスパイクマイスターとしてゲキサカでもお馴染みのKohei氏に参加してもらい、内田と3人で座談会を実施。「プレデター18.1」の魅力を大いに語り合ってもらった。

座談会を行う(右から)内田篤人、山口智久氏、Kohei氏

山口 まず、あらためて「プレデター18.1」の主な性能をご説明させていただきます。「プレデター18.1」はボールコントロールがコンセプトのスパイク。最新のニット素材を使い、ソックス一体型構造で足をホールドしながらプレデターならではの凸凹フィン構造がプレイヤーのボールコントロールをサポートするのが特長です。昔のプレデターは今に比べてかなり重かったのですが、現在の「プレデター18.1」は軽量化を実現した中で、柔らかいニット素材を使いながら、それでもフィン構造を通じてしっかりとボールに力を伝えることのできるスパイクに仕上がっています。

前足部とインサイドに搭載された凸凹フィン加工がボールコントロールをサポートする

内田 このギザギザの部分ですか?

山口 そうです。この表面の凸凹加工がフィンです。

内田 これ、「フィン」って言うんですね。

山口 魚のヒレみたいな凸凹の形状をプレデターシリーズではずっとフィン形状という形で搭載しており、今回のものはその最新型になります。

内田 ピッチの芝生は水を撒いた影響で濡れていることが多いので、ボールが滑りやすいこともあるんですが、「プレデター18.1」はこの前足部の段差が摩擦を生み出してくれる感じがあって、ボールタッチもしやすい感触があります。正直、この加工はありがたいですね。

Kohei プレデターの系譜が活きている感じがして、フィン加工のボールグリップ性の高さは良いですよね。「プレデター18.1」の履き心地はいかがですか?

内田 履き口に高さがあるスパイクが好きなので、ニットの履き口気に入ってます。くるぶしとか足首を守ってくれている感じがして、安定感があるし、ニット素材のフィット感も良い。試合中の接触プレーで相手に蹴られたりすると、くるぶしのあたりはすぐ出血してしまうんですけど、「プレデター18.1」のようなハイカット形状のニットスパイクは足首をカバーしてくれるので、ケガの予防にもつながっていると思います。


ニットの履き口がフィット感と安定感をもたらす

Kohei なるほど。“足首の保護”という側面もあるということですね。ニットのフィット感はいかがですか?

内田 ソックスを履いているままの延長線という感じで、足がピッタリと包まれている感触は好きですね。前のモデル(エース17.1)と比べたらニット自体も柔らかくなっていますし、ニット素材ならではのフィット感というか、足がキュッと包まれている感触があります。足と一体化している感じで、靴ひもを強く締める必要がないくらいピッタリとフィットしてくれています。

Kohei 「エース17.1」と比べたら断然フィット感が良くなってますよね。私もそれは感じました。他に「プレデター18.1」で気に入っている部分はありますか?

内田 ボールをカーブさせたいときや回転をかけたいときにフィン加工の摩擦が役立っていますし、スタッドのグリップ性も良いですね。足首ごと全体的にニットがカバーしてくれていることでしっかりと踏ん張れます。Jリーグのピッチは綺麗ですが、ACLなど日本と違うピッチコンディションでプレーするときもちゃんとグリップが効くというか、足元が全然グラつかない安定感が気に入っています。

Kohei ニットのフィット感に安定感、ボールコントロール性が兼備されてる感じですね。内田選手は昔から天然皮革のスパイクを履かれてきましたが、ニットのスパイクに履き替えることに違和感はなかったですか?

内田 特に違和感はなかったですね。結構なんでも履きこなせちゃうので(笑)。

Kohei 内田選手は高校時代に「プレデターパルス」を履かれていましたが、昔のプレデターと今のプレデターを比較してどういう違いを感じますか?

内田 昔のプレデター、全然覚えてないです……(笑)。

Kohei 当時のプレデターの写真を用意してきました。これです。

左がプレデターパルス、右がプレデター18.1

内田 (写真を見て)あー、このスパイクね! 思い出しました。その黒・白・赤のカラーは印象に残っています。昔のプレデターはこういう色使いの印象が強いですね。名波(浩)さんとかも履いていましたよね? このころのプレデターは結構重かった印象があるので、今のほうが断然軽いと思います。フィット感も今のほうが良くなっていますし、ボールに触れた感触というか、どこでどのくらいボールタッチしているかという感覚も「プレデター18.1」のほうが分かりやすいですね。見た目とか色とかは昔のプレデターのほうが好きですけど(笑)。

山口 “軽さ”の面では今のプレデターのほうが断然軽く感じられますか?

内田 そうですね。軽さは昔のプレデターと今のプレデターの大きな違いだと思います。「プレデター18.1」を履いていても、“このスパイク重いな”という印象はないですし、快適に履けています。高校のころは取替え式のプレデターをよく履いていたので、その印象もあるかもしれません。やっぱり取替え式のほうが重いじゃないですか。あのころは取替え式のスパイクを履けることがうれしかったんですよ。県大会とかで勝ち進まないと天然芝のグラウンドで試合ができなかったので。

Kohei 高校時代のスパイクに対する思い入れが聞けて感激です。好きな“スパイクの色”はありますか?

内田 黒です!

山口 毎回言ってますよね。黒のスパイクが好きだって。

内田 こういうインタビューのときは毎回言ってます。黒のスパイクってやっぱりカッコいいんですよね、自分の中で。(アディダスに)「真っ黒なスパイクを出してください」ってリクエストしているのに出してくれないんですよ。テスト用のサンプルスパイクって真っ黒じゃないですか。あれでいいんですよ。あの真っ黒なスパイクが一番好きです。あとはシンプルなデザインが好きですね。

山口 黒以外で、好きなスパイクの色を強いて挙げるなら?

内田 赤かなー。鹿島カラーだし。

Kohei 好きなスパイクの色は人それぞれ好みがありますよね。今まで履いてきたスパイクの中で特に思い入れのあるスパイクはありますか? 内田選手が高校時代から今まで履いてきたスパイクの写真を用意してきました。

タブレットに映し出された過去の着用スパイクの写真を見る

内田 思い入れのあるスパイクは結構ありますよ。プレデターパルスはシュータン(靴のベロ部分)の折り返しのところのゴムバンドをどの位置に通すか、いろいろ試行錯誤しながら履いた思い出があります。

山口 「あの試合に勝ったときのスパイク」という形で思い入れのある選手もいれば、試合やプレーに関係なく、純粋にスパイクそのものに思い入れがある選手もいると思いますが、内田選手の場合はどちらですかね?

内田 どちらかというと試合かな……。試合中にスパイクが脱げちゃって、(田中マルクス)闘莉王さんにスパイクを拾ってもらったときは、このスパイクを履いていたなとか、そういう印象は残っています。

Kohei スパイクを履くときのゲン担ぎはありますか?

内田 特にはないです。ピッチに右足から入るぐらいですかね。あとは気が付いたときに左足からピッチを出るとか。

山口 どっちの足からスパイクを履くとかもないですか?

内田 特に決めてないです。スパイクを履くときのルーティーンはないですね。

Kohei 試合での固定式スタッドと取替え式スタッドの選択はご自分でなされていますか?

内田 そうですね。それは自分で決めています。ドイツにいたときは試合ではほぼ取替え式スタッドを使用していました。ドイツのスタジアムのピッチはかなり緩いですし、試合前に水もかなり撒かれるので、取替え式スタッドでないと滑ってしまう。固定スタッドのスパイクを履いて試合で滑った日には、そのあと1~2か月ぐらいは試合で起用してもらえなくなったりするので。そういうところは厳しいというか、ちゃんとしておかないといけない部分ですね。

山口 日本のピッチだと取替え式のスパイクはほぼ要らない感じですよね?

プレデター18.1のソールにはダイヤモンド型スタッドを搭載

内田 自分の場合は日本だと固定式のスパイクで十分ですね。芝生も短いし、日本のほうが綺麗に整備されているので、固定式スタッドのほうがプレーしやすいです。

山口 ACLや過去の代表戦など、アジアのピッチはどうですか?

内田 中東のスタジアムのピッチはやっぱり芝生が柔らかいですね。ドイツとはまた違った柔らかさで、芝がホワホワしているんですよ。だから代表戦のときとかは取替え式スタッドを選ぶことが多かったですね。

山口 今、中東で試合をするとなったら固定と取替え、どちらを選ぶことが多くなりそうですか?

内田 どうだろう。ケースバイケースで、試合のピッチコンディションを見て選ぶと思いますよ。中東の中でもスタジアムによってピッチ状態は全然違いますから。

Kohei そういうところは今の中高生も参考になりますね。各試合会場のグラウンドコンディションに合わせて固定式か取替え式かしっかり選び分けるのは大事なことですよね。スパイクの手入れに関する話もお聞きしたいのですが、プロになってからスパイクの手入れはどうしていますか? チームのホペイロの方に任せている感じですか?

内田 そうですね。シャルケにはエキップマネージャー(ホペイロ)がいましたし、ベルリンにもエキップマネージャーがいたので、基本的にはそういう方にスパイクの手入れは任せていました。でもシャルケのときは試合で使うスパイクは自分で選んで、試合前日に専用のバッグに入れておかないと試合会場まで持っていってくれなかったので、試合前日に自分で手入れすることもありました。自分が履くスパイクなので自分で手入れするのは当然ですよね。雨が降っているときはボールが濡れているので、ボールタッチするたびにアッパーの汚れが自然にキレイになったりすることもあって、これで手入れはオーケーというときもありました(笑)。入念に磨いてピカピカにするというよりは、必要最低限に綺麗にしておけば大丈夫というスタンスでしたね。

山口 かといって、内田選手の場合はスパイクを頻繁に新しくすることも少ないですよね?

内田 すぐに新しいスパイクに履き替えることはしないです。提供してもらったら、その分をしっかりと履き込んでいくタイプですね。物持ちはいいほうです(笑)。

山口 練習はこっちを履いて、試合ではこっちというような使い分けもしていますよね?

内田 試合用と練習用は分けています。スパイクが伸びすぎたり緩くなったりするのは嫌なので、練習用スパイクは2~3足で回しながら、試合用は1足を決めて、練習用と試合用で使い分けています。

Kohei 練習用スパイクと試合用スパイクの使い分けは今の中高生も参考になりますね。中高生は毎日の練習でガンガン使用するので、練習用と試合用を分けることで試合用スパイクを休ませることもできますし、手入れする時間も取れますからね。最後にもし良かったら素足を見せていただけませんか? 足型を見てその人にどういうスパイクが合うかという足型診断もやっていまして、日本のトップのプロ選手がどういう足型をしているのか興味があって、もし良かったら是非お願いします。

内田 そういうことならいいですよ。でも、右足と左足でだいぶ大きさが違うんですよね。

Kohei 人差し指が一番長いギリシャ型の足型ですね。横幅は標準ぐらいで、甲も標準ぐらいの高さです。サッカー選手としてはかなり綺麗な足だと思います。指もスラッとしていますし、大きな変形なども見受けられません。私もギリシャ型なんですが、他には親指が一番長いタイプのエジプト型の足型もあって、人間の足は大きく分けてこの2つの足型に分類されます。ちなみに「プレデター18.1」は前足部の形状が真ん中で先細っているので、ギリシャ型の足型なら履きこなしやすいスパイクだと言えます。幅や甲の高さを見ても、内田選手の足に「プレデター18.1」は問題なく合うスパイクですね。ありがとうございました!

プレデター18.1について語り尽くした(左から)山口智久氏、内田篤人、Kohei氏

 サッカー選手にとってスパイクは欠かすことのできない“相棒”だ。内田篤人が現在愛用している「プレデター18.1」はニット素材のフィット感に、軽量性、ボールコントロール性能が組み合わさった最先端スパイク。選手のパフォーマンスを最大限サポートしてくれるのは間違いない。

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