beacon

DF三國スティビアエブスのFW起用が大当たり!順大が首位駒大に競り勝つ

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF三國スティビアエブスが2ゴールを奪う活躍を見せた

[5.20 関東大学L1部 順天堂大4-2駒澤大 フクアリ]

 前節、実に11年ぶりに首位に立った駒澤大と2連敗中の4位・順天堂大。勝ち点3差の両チームの上位対決は、思わぬゴールの奪い合いとなった。2-0とリードする順大に対し、駒大も一度は追いつくものの、67分に投入されたDF三國スティビアエブス(2年=青森山田高)が2ゴールを決めて4-2と駒大を突き放した。

 試合は序盤から激しく動いた。開始早々の4分、順大はMF新関成弥(1年=清水ユース)からのクロスにFW旗手怜央(3年=静岡学園高)が頭で合わせて先制すると、前半27分には「GKが前目に出ていたところを、(旗手)怜央からいいボールが来た」と話すFW浮田健誠(3年=柏U-18)がGKをかわしてシュートを流し込み追加点。ともに得点ランキング上位を競う2トップがそろってゴールを挙げ、順大が2-0とリードを広げた。

 しかし、首位・駒大も簡単にゲームを諦めない。エースFW高橋潤哉(3年=山形ユース)が腕の骨折、守備の要であるDF星キョーワァン(3年=矢板中央高)が肉離れで欠場している厳しい状況ではあったが、次第に順大からボールを奪うと前半40分にMF薬真寺孝弥(2年=長崎総科大附高)がDFの裏に抜け出してシュートを突き刺すと、後半に入った12分にもこぼれ球を拾ったMF中原輝(4年=ルーテル学院高)のクロスをFW室町仁紀(4年=東京ヴェルディユース)が頭で押し込み、試合を振り出しに戻す。

 前節の流通経済大戦も、前々節の東京国際大戦でも先制しながら逆転負けを喫している順大。「2点目、3点目をどう取るか」(堀池巧監督)が課題であることは明確だった。連敗の轍を踏まないために堀池監督が切ったカードは三國の投入。後半22分、浮田を下げて三國をトップに送り込むと、同31分には今季初出場となるMF望月陸(2年=清水ユース)を入れて追加点を狙った。

 交代の効果はすぐに現れた。後半32分、望月がファーストタッチとなるプレーで右サイドを突破。駒大のDFを振り切ってゴール前にボールを送ると、三國が右足で合わせて勝ち越しゴールを決める。さらに同39分には、旗手が左サイドからドリブルで中に切れ込んでチャンスを作ると、再び三國がゴールに押し込みダメ押しの4点目をマーク。接戦となりかけた試合を一気に引き離して、順大が首位・駒大を下して2位に浮上した。

 堀池監督は三國のFW起用を「駒大対策の紅白戦をしていて、十分競れると感じた」との手応えから思いついたというが、決して奇策として起用したわけではない。「もともと攻撃が好きな選手。今季、彼のよさを活かすためにはサイドハーフかFWでと考えていた」という。その期待に応えての2ゴール。堀池監督はまた「連敗を引きずらず、追いつかれてからも戦った」選手たちの力を勝利の要因として評価した。

 次節の国士舘大戦はホーム・順大グラウンドでの開催となるだけに「負けられない」と堀池監督。その後は上位チームとの4連戦という厳しい戦いが続くが、この勝利を弾みに5月末からの前期終盤戦に備えたい。

(取材・文 飯嶋玲子)
●第92回関東大学L特集

TOP