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[プリンスリーグ東北]指揮官も認める「尚志のストロング」加瀬直輝が2Aで仙台ユース撃破の立役者に

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尚志高MF加瀬直輝は2アシストの活躍

[5.19 プリンスリーグ東北第8節 仙台ユース 0-2 尚志高 マイナビベガルタ仙台泉パークタウンサッカー場]

 プリンスリーグ東北前半戦の大一番、4位・ベガルタ仙台ユース(宮城)と2位・尚志高(福島)の上位対決は、2-0でアウェーの尚志が制し、2位をキープした。勝利の立役者となったのは後半、右サイドから何度も精度の高いクロスを上げ、2アシストを記録したMF加瀬直輝(3年)だ。

 前半は仙台ユースにボールをキープされ、守勢に回った。加瀬も縦への突破を狙ったが「前半は縦を切られる対応をされました」と得意のドリブル突破をなかなか見せられずにいた。ハーフタイムで尚志・仲村浩二監督より「アーリークロスを上げていけ」との指示を受け、縦突破だけでなくアーリークロスを入れ始めると、徐々に加瀬を起点に決定機が生まれ始めた。

 そして後半20分、CKのこぼれ球を右サイドで拾った加瀬がファーサイドへクロスを入れる。「練習もやっている形がうまくいきました」と振り返ったクロスを受けたのはDF黒澤誓哉(3年)。「ファーサイドにいて、ボールが流れた時も折り返しのボールが来る場合があることを意識していました」とうまくヘディングで合わせて先制に成功した。

 この先制点で勢いに乗った尚志は27分、今度が加瀬が深く相手陣内に切れ込んでクロス。FW二瓶由嵩(3年)がフリーで合わせ、試合を決定づけるヘディングシュートを決めた。「(二瓶は)練習でも自分のクロスからゴールを決めてくれていて、クロスを上げようと思った時に必ず中にいてくれます。ピンポイントで合わせられたのは良かったと思います」と精度の高いクロスを上げられたことを喜んだ。

 仲村監督は「加瀬はうちのチームのストロングです。中央の選手は仙台ユースの方が強いのですが、うちはサイド攻撃がストロングです。よく後半も足を残してくれました」と豊富な活動量で攻守に奮闘した加瀬を讃えた。

 昨年から公式戦には出場していたが途中出場が多かった。「3年生になって自分が主力として出るようになって、チームの勝利をより意識するようになりました。自分の力で勝てるようにと監督からも言われているので個の部分を磨いています。1試合1試合、ゴールやアシストでチームの勝利に貢献するのが目標です」。先発出場が増え、責任感が増し、より勝利を強く渇望するようになった。

 大舞台で2アシストの大活躍だったが、まだまだ自身のプレーに満足していない。「縦突破を読まれることが多くなってきたので、縦を切られても止められないスピードや、フェイントを覚えたいです。カットインしてのシュートも決めたいですね」とスキルアップにも貪欲だ。翌週より始まる福島県高校総体に向けては「守備は無失点を心掛けてやってくれているので、攻撃陣は毎試合3点は必ず取る気持ちでやっています」と、どの試合も大量得点で優勝したいと意欲を見せる。尚志のストロングが、今後どれだけゴールを演出できるか注目だ。
  
(取材・文 小林健志)
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