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「何かが起こると信じていた」。DF隈元が高精度FKで再び神村学園を救う

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延長後半3分、神村学園高DF隈元聖也が右足FKを蹴り込む

[5.25 総体鹿児島県予選準決勝 神村学園高 1-0(延長)松陽高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場A]

 延長後半3分に奪った執念の1点。神村学園高は「一応頭に当てたつもり」というFW濱屋悠哉(2年)が両腕を突き上げて喜び、左サイドから高精度のFKを蹴り込んだDF隈元聖也(3年)は、「(とにかく得点が決まって)嬉しかったですね」とベンチに駆け寄ってコーチ陣と抱擁をかわし、その後、逆サイドのスタンド近くまで走り抜けてまた喜びを爆発させていた。

 まるで自分が決めたかのようなパフォーマンスの連続。公式記録の得点者はDF深港壮一郎(3年)だったが、苦しい試合だっただけに得点者関係なく全員が笑顔で待望の1点を喜んだ。隈元は「前半はパスミスが多かった。その中でも粘って、粘って。何かが起こると信じていた」。その「何か」を引き起こしたのが隈元の右足FKだった。

 神村学園のCKはMF軸丸広大(2年)が蹴っているが、FKは主に隈元が担当。今大会3回戦の出水中央高戦で決勝FKを決め、県新人戦決勝の鹿児島高戦でもFKを決めている隈元は「新人戦の決勝でも同じような角度からFKを決めていたので、GKが出るか出ないところに速いボールを蹴ろうと思っていた」。左サイドからゴール方向へのライナーで入れられたボールは味方選手によってわずかにコースを変え、決勝点となった。

 隈元は昨年のエースFW高橋大悟主将(現清水)からFKを学んでいた。「イメージは教えてもらいました。シンプルに一番考えることは、壁の頭のところを狙えば良いと。ゴール前だったらGK見えていないので枠に入れば入るので意識しています」。利き足は高橋と逆だが、学んだことを忠実に実践したことが結果に繋がっている。

 新人戦ではボランチを務めていた隈元だが、3-4-3へのシステム変更に伴い、DFへ。着実に守備面で成長を見せているDFが自分の武器でまたチームにゴールをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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