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主将負傷欠場も、全員で穴埋めた清水桜が丘が冬夏連続全国へ王手!:静岡

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PK戦勝利を喜ぶ清水桜が丘高イレブン

[5.26 総体静岡県予選準決勝 常葉大橘高 1-1(PK4-5)清水桜が丘高 草薙陸上競技場]

 平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(三重)静岡県予選は26日に準決勝を行い、常葉大橘高清水桜が丘高との一戦は1-1で突入したPK戦の末、清水桜が丘が5-4で勝った。清水桜が丘は6月3日の決勝で藤枝東高と戦う。

 清水桜が丘は主将のMF川口慶祐(3年)が準々決勝で右足人差し指を負傷。チームの柱が欠場する中での戦いだった。その清水桜が丘は序盤、川口に代わってキャプテンマークを巻いたMF八木亮太(3年)のスピードを活かした仕掛けや左MF長澤有翼(3年)のアーリークロスからFW前田翔茉(2年)が決定機を迎える。

 だが、先制したのは、準々決勝で県新人戦優勝の静岡学園高を破っている常葉大橘だった。15分、FW浦田和希(2年)が右コーナー付近でDF2人を置き去りに。そしてラストパスをニアサイドのFW井上裕斗(3年)が頭で合わせてスコアを動かした。

 静岡屈指のエースFW水野颯太(3年)の突破や浦田のミドルシュートで追加点を狙う常葉大橘に対し、清水桜が丘はいずれもボール奪取力の高いMF築地健人(3年)とMF村上太一(2年)のダブルボランチがセカンドボールを回収し、また制空権で強みを発揮。八木の“弾丸ロングスロー”やCKから同点チャンスを作る。そして32分、村上の左CKを前田が競ると、相手DFの頭に当たったボールがゴールへ吸い込まれた(記録は前田のゴールから、オウンゴールに変更)。

 前田中心にゴールを喜んだ清水桜が丘は一気に畳み掛ける。36分、FW松永颯太(2年)のスルーパスで抜け出した長澤がDFをかわしてから決定的な右足シュート。39分には八木のアーリークロスを松永がフリーで合わせたが、いずれも枠を外してしまう。

 常葉大橘も前半終了間際に水野と浦田がPAからシュートを放ったが、清水桜が丘はGK飯濱由樹(3年)とCB安居院旺洞(3年)が身体を張ってストップする。1-1で突入した後半は互いにテンポが低下。その中で常葉大橘は後方からショートパスを繋ぎ、サイドでの崩しを狙う。

 そして、MF高橋馨希(2年)が無回転ミドルを打ち込み、左SB高橋哲也(3年)がカットインからの右足シュートで相手ゴールを脅かす。清水桜が丘も存在感を増した松永や右SB野牧稜平(2年)を中心に相手の守りを切り崩そうとするが、常葉大橘は集中力を切らさず。37分に八木の右ロングスローを松永がそらし、PAへ飛び出した交代出場FW鈴木智也(2年)がチャンスを迎えたが、常葉大橘GK杉山八洋(3年)に2本連続でシュートを止められてしまった。

 試合は1-1で前後半80分間を終了。即行われたPK戦で常葉大橘は1人目のシュートがクロスバーを叩いてしまう。対する清水桜が丘は1人目の八木から安居院、築地、MF古長谷千博(2年)がコースへきっちりと決めると、5人目の松永も右上隅に決めて決勝への切符を勝ち取った。

 清水桜が丘は主将欠場のアクシデントを乗り越えて準決勝突破。片瀬晴城監督は「怪我は仕方ない。このために100人も部員がいる」と語る。八木は「(川口は)いつもヘラヘラしているんですけれども、やる時はやっていたと思います。精神的に支えになっていましたし、プレーでも引っ張ってくれていた。川口がいなくて思い通りいかないな、凄いなと思って練習やっていたけれど、こうやって決勝行けたのは大きかったです」とコメントした。

 大黒柱の穴を全員が少しずつ埋めて掴んだ白星。片瀬監督は「キャプテンがいなくてもやれたのは大きい」と語り、川口も「(自分がいなくても)普通にやればいいと声をかけた。チーム一人ひとりがやるようになっている」と背中を押す。川口は全治4~6週間というだけに8月の全国大会には戻ってくることができる。八木は「決勝まで来たのであと一個勝ったら全国。川口はまだできないんですけれど、その分全員で挑んで行ければなと思います」と意気込んだ。選手権初戦敗退の悔しさも持っているチームは主将の分も全員で戦い、冬夏連続の全国出場を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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