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藤枝東は伝統の繋ぐスタイルで静岡決勝、全国で勝負

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正確な技術を武器とする選手の多い藤枝東高。右MF平尾拳士朗はチームの突破口

[5.26 総体静岡県予選準決勝 藤枝東高 2-1 浜松開誠館高 草薙陸上競技場]

 静岡決勝進出を決めた藤枝東高の小林公平監督は「もう少しボールを持てないかなと思っていた」と語り、決勝点を演出したMF浦部舜(2年)も「距離感が近すぎず、遠すぎずに。もう少しボールを握りながらやりたいです」という。

 身体能力に優れた選手が揃っている訳ではない藤枝東は伝統のパスワークが生命線。この日はボールが前線で収まらなかったりするなど、ボールを保持する時間を十分に伸ばすことができず。連動したパス交換による崩し、失った後に人数を掛けてボールを奪い返す部分も思うようにはできなかったようだ。

 それでも「勢いで来る相手だったので剥がせば簡単に抜けるかなという感じがあったのでやりやすかったです」という右MF平尾拳士朗(3年)がプレッシャーに来る相手の逆を取って突破していたほか、各選手が落ち着いたボールコントロールを見せ、狭い局面を連続のパスで打開しようとするなど目指すサッカーも随所で表現していた。

 後半立ち上がりに押し込まれてしまったことで先制されたが、自分たちらしく前に出て攻め返した藤枝東はFW井上燎哉(3年)のパワーショットで追いつき、浦部の右クロスが相手のミスを誘う形で決勝点。平尾は「自分たちは昔からのスタイルである繋ぐスタイルでやっていきたいと思っているので、次の試合もやっていきたい」と力を込めた。

 小林監督が就任1年目だった15年度は結果を出すことにこだわって全国出場。だが、藤枝東らしいサッカーを展開することができず、結果も初戦敗退に終わった。だからこそ、今度こそ全国で藤枝東らしいサッカーを、という思いをコーチ陣、選手たちも強く持っている。清水桜が丘高との決勝を必ず突破してテクニカルなサッカーで全国に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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