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「選手権から大学サッカーへ」法政大FW飯島陸「自分の得意な形でも何でもいいので得点を決めていきたい」

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チームメートに促されて「7」。法政大FW{飯島陸は選手権で叩き出した7得点以上を大学1年目から狙う

 ゲキサカでは高校選手権で活躍し、今春から関東大学1部リーグのチームへと戦いの場を移した注目の1年生プレーヤーたちを特集。「選手権から大学サッカーへ」と題し、大学進学してから1、2か月経った注目1年生に現状や普段の大学生活、高校時代について、また大学のチームメートの“ヤバいやつ”などについても語ってもらった。

 第1回は法政大の注目ルーキーたち。今年1月の全国高校サッカー選手権で7得点を挙げて得点王を獲得し、前橋育英高を選手権初優勝に導いたFW飯島陸がインタビューに応えてくれた。

●FW飯島陸
―入学してから1か月以上が経った。
「自分としては、まだまだ全然出せていないと思う。まだまだ信用してもらえていないですね。ここにパスを出して欲しいという時に出してもらえていないので、それは結果を出していかないとダメ。練習中からこだわってやらないとダメと思っています」

―練習では「ナイス、陸」という声も飛んでいた。そういうことの積み重ねが必要なのかな?
「もっとそういう声が出てくるように。(長山一也)監督も言っていたんですけれども、1年生が自分たちからもっとやっていって、上級生とのコミュニケーションも取っていいチームを作っていかないといけないと思う」

―大学サッカーの公式戦を経験して、どのようなところに難しさを感じる?
「全然できるなという手応えはあるので。あとはもっとパスを出してもらって、自分を出していければというのがある。あとは一番下ということで消極的なプレーをしてしまうことがあるので、自分が良いと思ったプレーをしないといけない。チャレンジしたり、パスを要求して、自分の得意な形でも何でもいいので得点を決めていきたい」

―消極的になってしまっている?
「もっとチャレンジして自分の得意なところを出していかないと、チームも自分の特長をもっと分かってくれないと思いますし、そういうプレーをしていけばもっとパスも出てくると思いますし、結果も出てくると思います」

―良い時は本当に止まらないけれど、現状はまだそこまで来ていない。
「自分の調子を良くしていくのはシュートの本数だと思う。ゴールが空いたらシュート打っていくというイメージでやっていかないといけない。選手権でもそれをずっと意識していたし、シュートの本数が多いと自分も点を結構決めたりしていたので、どんどんシュートを打ってどんどん点を決めていきたいのがあります」

―法政大の良さは?
「レベルは高い。個々の力も凄いと思う。でも、試合になったら慌ててパスが繋がらない部分もあるので改善していきたい」

―普段の大学生活はどうかな?
「1年生ということもあって仕事が多いので、朝の掃除とかもありますし、全然高校とは違う大変さがある。大学では係があって、高校の時はユニフォームとかスタッフの人がやってくれていたんですけれども、大学では自分でやることが増えて高校とは生活の環境が違っています」

―法大は主に朝練習のため、夜など時間があると思うが、どう活用している?
「最近は2部練とか多くて自分の時間とか作れないんですけれども、なるべく朝とか早いので夜早く寝ることを考えています。それ以外は筋トレとかトレーニングをしています。できれば10時前とかに寝たいですけれども、(作業などがあって)なかなか寝れない時もある」

―授業は?
「授業は100分。凄く長いです(苦笑)。高校は50分で、その倍なので。今、高校の授業やったらすぐに終わると思う(笑)。ずっとサッカーしかして来なかったので難しいですし、ついていけないです。勉強、本当に大変です(苦笑)。(だからこそ、授業には必ず出て)あとは友達とかに教えてもらうしかないです」

―改めて高校3年間を振り返ると?
「3年間凄く充実していました。ずっとサッカーだったんですけれども、色々なことを学べました。自分が高校入った時、前線とか走り回るだけの、走るだけの選手だったんですけれども、育英のコーチから教えてもらって、動き出しの質とかサッカー感が変わった。2年生からはそういうところを活かして試合に出られるようになって、選手権準優勝。そこからまた高校選抜とかで学んで、3年になってからは学んだことを活かして優勝できたりしたので、高校3年間を通して考え方が変わったし、凄い色々な面で物事を考えられるようになった。考えることと感覚を合わせていって、得点王にもなれたと思います。(山田)監督には人間性の面も教えてもらって、人間性の部分も、サッカーの部分も色々と教われたので育英に行って良かったなと思っています」

―当時のチームメートとは今でも連絡している?
「最初は育英に戻りたいな、とずっと思っていました。インスタのストーリーで育英のヤツとかにコメントしたり、されたり。他にも駒澤の荒木(駿太)とか選抜で仲良かったので、だる絡みしてくるんですけれども、それはそれで楽しいです」

―大学のキャンパスや教室で声を掛けられるのでは?
「(飯島陸だ、と)言われるんですけれども、人見知りなので話せないです。自分から話かけないので……。みんなから言われるんですけれども、雰囲気が怖いと思われているみたいです」

―大学もサッカー中心?
「(現在は)ほとんどサッカーですね。サッカー中心で物事を考えているので、大学の友達と遊んだりとかいないです。授業終わったら寮帰って休んだり、自分のしたいことをやっています」

―法政大の1年生で“ヤバいヤツ”はいる?
「みんな巧いですね。自分、育英でやっていたので育英でやっていたヤツの方が巧かったりもあるんですけれども、FWでは佐藤大樹とか、すごいシュートのパンチ力がある。中井崇仁は凄く点取るんで、仲間からも盗めるようにしたいですね」

―先輩だけでなく、同級生からも学ぶことが多い。
「どっちもですね。上田綺世くんとか色々なタイプの先輩がいて、凄いと思うんですけれども自分も負けていないと思っているし、やれる自信はあります」

―4年後の自分はどう想像している?
「まずはプロに入って活躍できる選手になりたいですね。(渡邊)泰基とかマツリク(松田陸)とか、今の時点でプロに入って4年後は凄く経験を積んでやっていると思うんですけれども、大学には大学の良さがあると思うので、自分もそれに負けないくらいに積んでいくこと。大学からプロでは経験は浅い方になっちゃうと思うので、そこで即戦力としてすぐに活躍できる選手になっていきたいですね」

―焦りはある?
「プロの4年間と大学の4年間は違うと思ったので、その思いは持っていたんですけれども、この環境を選んだので、自分のできることをやっていくしかないと思うので、ここで修行して4年後にはプロで活躍できるようにしたいです」

(取材・文 吉田太郎)

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