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日本vsガーナ 試合後の西野朗監督会見要旨

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試合後の壮行セレモニーで挨拶する西野朗監督

[5.30 キリンチャレンジ杯 日本0-2ガーナ 日産ス]

 日本代表は30日、日産スタジアムでガーナ代表と対戦し、0-2で敗れた。

以下、試合後の西野朗監督会見要旨

西野朗監督
「狙いとしてできたところと、そうでない部分の中で、こういう結果が出たと思う。いろいろトライはできた。それは勝つ、勝負をつけることを前提としたうえでのトライだった。選手それぞれの確認もあったが、すべて勝つということが前提としてあったので、結果が出ずに本当に残念だ。少しずつ時間とともに流れというか、(エンジンが)かかってきたような感じはしたが、スタートの部分が少しそろっていなかった中で、かけ違いというか、序盤、少しリアクションになりすぎた中でのリスタート(からの失点)だったと思う。3バックを最終的に4バックに切り替えてオフェンシブに入ったが、それぞれ狙いを持ってトライしてくれたので、そういう方向性ができたことは評価したい。とにかく勝ってロシアにという思いでここ数日、選手と準備をしてきたので、それが出ずに申し訳ない気持ちと、逆にたくさんの課題も得られたので、つなげなければいけないと感じている」

─狙いとしてできたところ、できなかったところというのは。
「攻撃の部分では外に長友と原口、酒井高徳というポイントを置いている。ここ数日、言い続けているのは中盤でのアタック&ディフェンス。ゴール前を生かすにも中盤で主導権を取れるかどうか。ある程度時間とともにボールを引き出して、中央でポイントをつくり、ワイドな選手を使っていくサイド攻撃が狙いどおりいった部分もある。センターからの崩しはゴール前でもう少しコンビネーションがうまく取れればなというところはあったが、トライはしていた。

 ディフェンスの部分ではマークの受け渡しのタイミングで、3バックがスライドしていく中でギャップを突かれた場面もあった。ガーナの3トップのスピードに対し、個人を抑えるのではなく、中盤や前線を含めてボールに対して全員がリアクションしてポジションを取っていく。そうやってボールに対してできていた部分もあるし、一瞬の中で2点目のPKのような、ああいう対応もあった。コンビネーションが結果、合わなかったというところだと思う。

 相手の4バックに対して我々の3バックという中で、つかみづらいガーナに対してポゼッションをかなり取れた部分もあった。決定機がなかったわけではなく、最終的なフィニッシュの形が少なかったわけではない中で、最終的なフィニッシュはどうであれ、もう少しフィニッシュの形をつくることができれば良かったと思う。サイドアタックと中央からというトライはいい形もできたと思う」

─スパーリング相手としてのガーナをどう捉えているか? セネガルよりもフィジカルは強いチームだったと思うが。
「スカウティングもしていたが、(ガーナが)一昨日来たというコンディションを考えれば、本来の力はそう出ないのではないかという予測で、スタートからオフェンシブにボールも試合もコントロールできる試合を想定していた。想像以上にガーナのほうが出足がよく、縦に圧力をかけられた。いいスタートを切られた中で局面でも強く、切り替えの部分でも、予選のガーナは非常に遅く、間延びしている映像しかなかったが、今日は日本に対する対応として、引くところはしっかり整えてリトリートして、カウンターを狙ってきた。ミーティングの中で情報を与えて対応するところはしないといけないが、あまりガーナの個々の力を気にせず、自分たちの3バックをトライしていくんだという中で、ガーナの対応力に対して思惑どおりいかない部分もあった。局面での強さに関しては、セネガルよりそういう部分での強さを選手は感じたと思う。スピード、パワー、フィジカルだけではない組織的な対応力も感じた。出足から10分の中で非常に難しいゲームになる、いろいろ変化させていかないと対応できないなという感じがした」

─3バックを試したが、本大会で使える目処は立ったか。今日の試合を受けて23人の選考で考えが変わったところはあるか。
「3バックに関しては何度も話しているが、これからこの形でということでは考えていない。いろいろ対応を考えていく中、今までまったく3バック、5バックで押し込まれた状況の中でどう対応していくかというトライをしていなかったので、本大会で『これでいく』と伝えているわけではなく、まずこのトライをガーナにしていこうと。ガーナのシステム、個々の選手の特徴を消すような戦略、戦術的なことを考えれば、3バックではなかったかもしれない。ただ、代表としてこれからいろいろな局面、状況に対応していきたい中でやっておきたいというところだった。選手たちにも『これでいく』とは毛頭言っていない。そういう中でのトライだったので、良い部分も悪い部分もこれから3バックに対しては修正をかけたいなと思う。

 選手に関しては、今日の1試合で全員を試せた。今日の1試合をもって選手をリストに挙げる、挙げないという話では当然ないわけで、確認したい部分もある。はっきり言えば香川、井手口と、岡崎もしかり。ゲームに入ってこられなかった選手。ただ、今日に間に合わすというか、ベストなコンディションを持って入らなければいけない選手が、制限された時間だったが、今日、整って出られた。ただ、それもすべてではないと思っている。プレーできている彼らがこれからの時間の中でどうまた変わっていけるかというところも総合的に考えたい。試合に出られた岡崎や香川、井手口に関しては、何もリストを考えなければ、彼らがプレーできたことはうれしく思う」

─久しぶりに監督としてピッチに立ったが。今後はもう固めていくのか、さらに何か試すのか。
「ピッチに立った感想は、広くてスピーディーだなと。こういう流れでゲームに入っていたんだなというのは強く感じさせられた。代表チームは特にそういうものだと思う。選手たちが準備してきたこと、トライしていきたいところをしっかり捉えて、間近で見る中、改善していきたい、修正していきたいプレーを瞬間瞬間に感じることができたし、自分の頭の中もスピードアップしていかないといけないと正直感じた。

 これからのプランだが、スイス、パラグアイとトレーニングマッチができるが、すべてコロンビア戦に照準を合わせてスイス戦、パラグアイ戦を捉えていきたい。選手の起用も、システムなのか戦い方なのか、そういう戦略的なところもコロンビア戦にすべて合わせた中で、チームを持っていく必要があると思う。今日もそういう一つをトライできたので、それも含めて第1戦に備えた準備を考えたいと思っている」

─これまでの選手たちの取り組む姿勢にはどれくらい満足しているか。
「今日の試合前もハーフタイムもそうだが、これまで準備してきた中で、一方的に自分の描いている3バックを『こういうポジショニングだから、こういうプレーだ』『こういう戦略でやっていくんだ』『一人ひとりはこういう役割があるんだ』といった準備はしてきていない。選手たちと『これはできるか』『こういう状況はどうだ』と意思疎通を持ちながら準備をしてきた。そういう中でやることが一番スピーディーだと思っている。やれることを精度を上げてやりたい。そのマックスをこれから要求していきたい」

─長谷部誠を交代させたところで4バックに切り替えたが、長谷部を一段上げて切り替えるトライもしてよかったのでは。
「今日はトライさせたい選手、トライさせたい時間、すべてプランどおりに交代を考えていた。ただ、6人をそれぞれスイッチしていくと、試合が成立しないような状況になるので、交代は3回、その中で6人。短時間でも試合の中で確認したい選手として、最後は井手口だった。当初は大島(との交代)を考えていた。ただ、攻撃的なところで大島は今日の展開力とプレーメークに関して外せなかった。彼は最後、足がつっている状態だったが、追いかけなければならない中でのキープレイヤーだったと思う。ハセ(長谷部)を引っ張ることは当初考えていたが、それもトライする状況だったかもしれない。安定させるためにはハセだったと思うが、攻撃的に出ないといけなかったので、ああいうスイッチになった」

(取材・文 西山紘平)

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