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[関東大会]“選手権4強”システム採用の佐野日大、初出場・牛久栄進に4発大勝スタート

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4点目が決まって喜ぶ佐野日大高の選手たち

[6.2 関東大会1回戦 牛久栄進高0-4佐野日大高 前橋フットボールセンターB]

 第61回関東高校サッカー大会が2日、群馬県のコーエイ前橋フットボールセンターで開幕した。Bグループの佐野日大高(栃木)と牛久栄進高(茨城)が対戦し、序盤から着実に加点した佐野日大が4-0で完勝。3日に行われる準決勝では、駿台学園高(東京)と対戦する。

 栃木県決勝では宇都宮短大附高に敗れ、準優勝に終わった佐野日大。「この年代はいろいろなことができたほうが良い」という海老沼秀樹監督の方針から、これまで4-4-2の布陣で戦っていたが、今大会は一昨年度の全国選手権ベスト4進出時に採用した3-4-2-1のシステムで臨み、見事なスタートを切ってみせた。

 試合は序盤から動いた。前半3分、左サイドから崩したボールを1トップのFW山田大樹(3年)が落とし、ボールは右サイドハーフの位置から中央に絞ったMF小松虎太郎(3年)のもとへ。ダイレクトで右足を振り抜くと、コースを狙ったシュートが見事にネットに突き刺さった。

 さらに前半8分、左からのクロスをニアで山田がすらし、ファーに飛び込んだDF中丸大輔(3年)がシュートを狙うも、GK渡邊涼太(3年)が横っ飛びでビッグセーブ。ところが同11分、同じく左を突破したDF富澤勇太(3年)がクロスを上げると、ニアの山田が今後はヘディングシュートで決め切った。

 一方の牛久栄進は主将のFW石原和真(3年)のドリブルで前に進み、ときおり両サイドのMF前田翔海(3年)とMF窪庭潤(3年)が絡むも、9人でガッチリと守る佐野日大守備陣を崩すには至らない。そのままゴールに近付くことができず、2点ビハインドのまま前半20分の飲水タイムを迎えた。

 すると前半30分、佐野日大に決定的な追加点が入った。中盤で存在感を放っていた主将MF廣瀬龍弥(3年)のインターセプトを起点に、ボールを預けられた山田がPA左寄りにスルーパスを供給。反応した小松はいったん右サイドに流れてしまったが、力強いドリブルでの切り返しから左足を振り、前半のうちに3点リードを奪った。

 ハーフタイムが明けても、依然として佐野日大のペース。すると後半5分、中丸に代わって右サイドバックに投入されたばかりのMF前島輝俊(3年)が突破からクロスを上げると、逆サイドから飛び込んできたのは左サイドバックの富澤。右足ボレーで落ち着いて流し込み、リードを4点に広げた。

 その後は選手交代を続ける佐野日大に対し、徐々に牛久栄進も盛り返す。積極的にボールに関わっていたMF廣瀬大輔の直接FKやミドルシュートでゴールを脅かすと、途中出場のFW中本智大(3年)がドリブル突破で攻撃を活性化。だが、最後までゴールを奪えることなく、0-4で試合を終えた。

 敗れた牛久栄進は地域の進学校として知られる県立高で、これまで県ベスト8が最高成績。川又純一監督は「関東に出てくるチームの強さを肌で感じた」と実力の差を認めた。もっとも、丁寧にボールをつなぐ姿勢からは鍛錬の跡も感じさせ、「やろうとしているスタイルを変えずにチャレンジできた」と選手たちをねぎらった。

 一方の海老沼監督は「(県予選で課題となっていた)『タフに戦う』という部分は選手たちが改善してくれている」と手応えを確認。「初めて肌を合わせるようなチームと対戦し、久しぶりにこんな緊張感を味わえた。こういった経験を無駄にしないようにしたい」と東京都代表との準決勝に向けて意気込みを口にした。

(取材・文 竹内達也)

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