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相手の警戒もそれが「サッカーの楽しさ」。01年生まれ世代の“逸材”帝京長岡MF谷内田が全国でブレイク狙う

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帝京長岡高MF谷内田哲平が直接FKを狙う

[6.2 総体新潟県予選準決勝 北越高 0-1 帝京長岡高 五十公野公園陸上競技場]

「まずはこのインターハイで活躍することが第一歩になると思うんで、この大会で活躍できるようにしたい」。U-15日本代表、U-16日本代表選出歴を持つ帝京長岡高MF谷内田哲平(2年)は、中学3年時に帝京長岡高の一員として出場したプリンスリーグ北信越で12得点をマーク。“逸材”として注目を集めたMFはインターハイを再ブレイクへの第一歩にするつもりでいる。

 トップ下に入ったこの日は、敵陣で1タッチパスを多用。警戒される中、シンプルにボールをサイドへ散らしていく。密集の外側でボールを動かす谷内田に対し、谷口哲朗総監督からは「オマエが決めるんだよ!」の声。その声に呼応するように、ギャップに走り込むなど
動きに変化をつけていたが、ゴール前では良い形で前を向かせてもらえず、まだ自分に自信を持てない部分もあって強引にシュートを打ち込むことができなかった。

 後半2分にはゴール正面右寄りの位置でFKのチャンス。プレースキックのスペシャリストでもある谷内田が蹴り込んだボールは枠を捉えたが、GKが弾いてクロスバーをヒット。さらに7分には前方に空いたスペースをドリブルで突き、アウトにかけた右足シュートでゴールを狙った。

 1点差のまま迎えた終盤は緊迫した展開。だが、相手が必死に反撃する中、谷内田は全く動じずに余裕あるボールキープを見せていた。無得点に終わったものの、まずまず存在感ある70分間。そして、「決めれずに終わったのは悔しいですけれども、明日の決勝で決めれればいい」と力を込めた。

 帝京長岡が全国で躍進を遂げるためには注目エースのもう1ランク上のプレーが必要だ。谷口総監督は「上のステージでちゃんと買って(評価される)もらえる選手になってもらわないと」と現状に満足せず、さらに上のレベルに達することを期待する。周囲を活かすだけでなく、活かされる選手になること。よりゴール、アシストでチームに貢献する選手にならなければならない。

 谷内田は谷口総監督も「練習の虫。努力を惜しまないでやってくれている」と認めるように、努力する才能の持ち主。「自分はまずはプロになることが目標で、そのためには周りの人と同じことをしていたらダメ。自分のためでもあるし、そうやっていくことで周りの刺激になればいいと思っている。自分のためと、チームのためと思ってやっています」というMFは地道な努力の成果を発揮し、上のステージで活躍する選手になることができるか。

 3日の決勝戦、そして全国でもマークが厳しくなることは必至。それでも「それが分かっている上でやるのがサッカーの楽しさ。そういう相手だからこそ勝ちたい」と力を込める谷内田が、厳しいマークを凄みある動きで攻略してこの夏、全国で輝く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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