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[MOM531]京都産業大GK西川駿一郎(2年)_“我慢”できる正守護神、粘りの堅守で勝利掴む

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京産大GK西川駿一郎(2年=京都橘高)

[5.5 第96回関西学生L前期第6節 桃山学院大1-2京都産業大 神戸総合運動公園補助]

 第5節終了時点で4分1敗と未勝利の京都産業大にとって、何が何でも勝ち点3が欲しい一戦。しかし、前半守備のミスから桃山学院大FW毎熊晟矢(3年=東福岡高)に先制される苦しい展開となった。

 思い切ったプレスをかけられず、自らのペースに持ち込めなかった京産大だが、MF立石和真(3年=C大阪U-18)のゴールで追いつくと、後半はFW久保吏久斗(4年=C大阪U-18)のアグレッシブなプレーが功を奏し、MF橋本和征(3年=東福岡高)のゴールで逆転に成功。強力な桃山大の攻撃陣に攻め込まれるも、主将・DF橋本侑紀(4年=C大阪U-18)を中心に粘り強く守り抜き、待望の初勝利を手にした。

 この試合、京産大の古井裕之監督が勝利の立役者として名を挙げたのが、GKの西川駿一郎(2年=京都橘高)だ。タイプの違うFW陣が多彩な攻撃を仕掛ける桃山大を、DFとの連携で最少失点に抑えた。西川は「どう守備をやるのかミーティングで頭に入っていた。流れで崩される場面はなかったし、うまく対応することができた」と成果を口にした。

 西川の長所は「我慢できるメンタリティ」と古井監督は言う。

 京都橘高では、同級生の矢田貝壮貴(現・大阪体育大)とポジションを争ったが、大舞台で起用されたのは矢田貝だった。飛躍を誓って入学した京産大には、昨季まで射庭康太朗(現・山形)と寺地一貴(現・FC大阪)という二人のGKが在籍し、1回生の西川にはトップチームの出場機会はめぐってこなかった。そして、今年こそと意気込んで迎えたプレシーズンでは新入生の田中颯(1年=東京Vユース)が起用されていた。

 後輩である田中の活躍を目にしても、腐ることなく練習に取り組んでいけたのは、京都橘での「サブの時、どう振る舞えばいいか」という経験に加え、射庭と寺地という二人の先輩たちから学んだ「試合に出ていない時の立ち居振る舞い」があったからと西川は言う。

 さらに、今季から就任した白井淳コーチの存在も大きい。「去年まではがむしゃらにやるだけだった。白井さんに自分の足りないところを指摘されたが、ストロングポイントも見出してくれたことが自信になった」と言うように、新潟や大宮でGKコーチとしての実績を重ねた白井コーチの的確なアドバイスは、西川にとって確かな道しるべとなっている。

 開幕からスタメンを掴み、試合経験を重ねるが、「毎試合、誰が出るかはわからない」と油断はない。「安定感がまだないし、DFに助けてもらう場面も多いので、練習してどんな場面でも頼れる選手になりたい」と貪欲に成長を誓う。チームメートと切磋琢磨し、よりスケールの大きな選手になるために。リーグで得た自信と我慢できる気持ちの強さを武器に、これからも着実に歩みを進めていく。

(取材・文 蟹江恭代)
●第96回関西学生リーグ特集

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