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「コイツが決めれば俺たち強い」。金沢桜丘は2年生FW奥村祐平が殻破る劇的V弾:石川

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後半アディショナルタイム、金沢桜丘高の2年生FW奥村祐平が決勝ゴール

[6.3 総体石川県予選準決勝 金沢桜丘高 2-1 遊学館高 金沢市民サッカー場]

 決勝点をアシストした10番MF西本健悟(3年)は「みんな、コイツが決めれば俺たち強いと思っていたので、やっと決めてくれて嬉しいですね」と微笑んでいた。

 7年ぶりの全国出場を目指す金沢桜丘高は後半アディショナルタイム、自陣からカウンター攻撃を繰り出す。そして、右サイドを一人で持ち上がった西本がDFを引きつけてラストパス。これを中央で受けた2年生FW奥村祐平がコントロールから決勝点となる右足シュートを決めた。

 奥村祐はこの日、右SH白江拓未(3年)が負傷したことによって前半19分から出場。だが、なかなか自分の良さを出すことができない。思うようにボールに絡めず、ボールを受けた際もすぐに切り返してしまうなど停滞。山本伸忠監督から「縦に行け」とアドバイスを受けても、消極的なプレーが続いてしまっていた。

 試合終盤、山本監督は彼を交代させることも考えていたのだという。だが、ポテンシャルのある奥村祐の攻撃力を信じてピッチに残す。すると、決勝ゴールのシーンで奥村祐は「ここ最後のチャンスかなと思って、全力出して走った」と最前線まで走り切り、GKの右側を抜くシュートでチームに歓喜をもたらした。

 奥村祐は「最後、横パス来た時、トラップがちょっと足下に入りすぎて、ちょっとそこの時点で『ヤバイ』と思ったんですけれども……、シュートの時は相手見ていなくてボールだけを見ていた。高2になってからずっと点を取れていなくて、ずっと不調が続いていとったから安心というか、取れて良かったです」と素直に喜んでいた。

 先輩たちも「コイツが決めれば……」と期待していた2年生FWが、準決勝の勝負どころで大仕事をしてのけた。この決勝ゴールは彼にとってターニングポイントになるかもしれない。「裏に抜け出せればチャンスには絡めると思っている。最後なんで、自分のできることを全部出し切って、絶対に優勝したいと思います」。殻を破った2年生FWが、支えてくれている守備陣、先輩たちの期待に決勝でも応える。

(取材・文 吉田太郎)
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