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[MOM2528]前橋育英DF峯崎雄大(3年)_Bチームの競争も熾烈…2ゴールの起点は大会初先発SB

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2ゴールの起点となった前橋育英高DF峯崎雄大(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.4 関東大会決勝 成徳深谷高1-2前橋育英高 正田スタ]

 Bチームで臨んだ関東大会のなかでも、3試合目の決勝戦でようやく初先発。これまで序列が高くなかった前橋育英高DF峯崎雄大(3年)だが、この日はチームの全得点にあたる2ゴールに絡み、同校にとって史上初の関東タイトルをたぐり寄せた。

 関東大会群馬県予選では主力を担っていたが、関東大会では1回戦からベンチスタート。これまでの2試合では、1回戦の宇都宮短大附高戦で12分間プレーしたのみだった。「守備に課題があるので、もっと攻守で貢献しないといけない」。自身の大会テーマはハッキリしていた。

 だからこそ、モチベーションは失っていなかった。「去年のメンバーの中には、ここで活躍してトップチームに上がって、インターハイや選手権に出た人がいた。結果を出せれば、上がれるチャンスが増える」と大会の位置づけを認識。課題も意識しつつ、持ち味であるキックの質を見せつけるべく臨んだ。

 すると前半27分、まずはロングボールで輝きを放った。「陽向(FW石井陽向)が斜めに走るのが見えたので、とにかく背後に蹴るだけだった」。相手ゴールキーパーと最終ラインの間、PA右寄りにきっちり落としたボールに石井が反応。角度の小さいところから流し込み、大会初アシストがついた。

 さらに後半15分、今度は持ち味のクロスで魅せる。鋭いボールをファーに送ると、MF上野詩音(3年)の落としにFW深澤康太(3年)のダイレクトシュート。指揮官が「もう一回やれと言ってもできない」と舌を巻いた攻撃には、「正直、たまたまです」と本音もこぼしたが、鋭いキックは非凡さを感じさせるものだった。

「アシストもできたし、攻撃が良かった」という県大会を経て、関東大会でも最後の最後で“結果”に関与し、攻撃面での手応えは感じている。だが、浮かれるつもりはない。「この大会でも分かったけど守備が足りない。局面で打開されて、チャンスをつくられてしまった」。まずは目の前に立ちはだかる課題を乗り越え、現状の序列に変化をもたらしていく姿勢を見せた。

(取材・文 竹内達也)

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