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3試合16得点の爆発力…群馬2位の桐生一、PK戦で競り勝ち『関東3位』に

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PK戦を制して関東3位に立った桐生一高

[6.4 関東大会3位決定戦 桐生一高2-2(PK5-4)駿台学園高 正田スタ]

 第61回関東高校サッカー大会は最終日の4日、正田醤油スタジアム群馬でB組トーナメント決勝戦を行い、桐生一高(群馬)と駿台学園高(東京)が対戦した。延長戦を終えて2-2で迎えたPK戦に5-4で勝利した桐生一が、大会レギュレーションにより3位入賞。同校史上初めて「関東以上のタイトル」獲得となった。

 1回戦で三浦学苑高を5-3で下し、準決勝では東海大甲府高を9-0で破ってきた桐生一。最後はPK戦までもつれ込む接戦を制した。中村裕幸コーチは「守備で課題が出た試合と、よくできた試合、そしてどうしようもない試合を経験できたのが良かった。あと、ウチにとって『関東以上』の初タイトルです」とやや苦笑い気味で喜びを口にした。

 ボールの主導権は桐生一が握った。技術の高いFW若月大和(2年)、MF田中渉(3年)が鋭く攻め込めば、両サイドのオープンスペースをMF松下駿也(3年)とMF楠大樹(3年)が豪快に突破。だが、懸命に守る駿台学園守備陣の前に、決定的なシュートが次々に枠を外れ、得点を挙げることができない。

 すると前半23分、駿台学園がカウンターからスコアを動かした。中盤左サイドでFW大野竜之(3年)と挟んでボールを奪ったMF布施谷翔(3年)が、高速ドリブルでカットイン。PA右寄りにスルーパスを送ると、角度の小さいところからMF高根沢翔(3年)が右足で流し込んだ。

 これまでの桐生一は2試合で14得点を挙げ、爆発的な攻撃力で勝ち上がってきた。準決勝の東海大甲府(山梨)戦は9-0の大差がついたこともあり、「あまりにも気持ち良いゲームをしすぎた」と中村コーチ。そんなギャップは「失点や決め切れないことにネガティブな雰囲気が強かった」という心理的状況につながってしまう。

 その後も、MF梅林幹(3年)のミドル、DF中野就斗(3年)のヘディングでゴールを狙う桐生一だったが、どれも空砲に終わる。そして前半38分、駿台学園は再び布施谷がゴール前にドリブルで持ち込み、先制点と同様に右へとスルーパス。これを今度は大野が流し込み、リードを2点に広げて前半を締めくくった。

 桐生一はシュート11本で無得点。「前の試合で点が入りすぎたので、『今日はそんなに入んないよ』と言っていた」という中村コーチはハーフタイム、選手たちを「人に(責任の)矢印を向けず、自分に向けろ」と叱咤。「ウチだけですよ、1-0の試合がないのは」という攻撃力を信じ、後半戦のピッチに送り出した。

 桐生一は後半11分、MF熊谷広夢(3年)に代えてMF須藤礼智(2年)を投入すると、一気に流れをつかんだ。同14分、須藤の縦パスを受けた若月が前を向き、PA右をえぐって中央に折り返すと、ファーで反応したのは楠。大会を通じて絶大なインパクトを放ったサイドアタッカーのゴールで1点を返した。

 ここで「普段は入らない形で点が入って、運があるな、同点まで行けるなと思った」という中村コーチ。すると後半17分、すぐにそんな想定が現実となる。中央で前を向いた梅林が縦につけると、PA左から田中がシュート。絶妙なコントロールでファーポスト際に流し込み、わずか4分間足らずで同点に追いついた。

 だが、ここからは一進一退の攻防。駿台学園は後半24分、途中出場FW松本州(3年)の裏抜けがオフサイドに終わると、同30分にはクロスに反応したが惜しくも合わず。桐生一はアディショナルタイム1分、田中のFKに中野が頭で合わせたが、わずかに枠を外れ、勝負の行方は延長戦に委ねられた。

 すでに夏本番とも思える陽気の中、3連戦となった選手たちだったが、延長戦でも足は止まらず。ゴール前に入り込むシーンもつくったが、どちらもしぶとく守り続け、スコアは動かなかった。PK戦は駿台学園が先行。GK猪田光哉(3年)が先陣を切ったものの、2人目に入った布施谷のキックをGK杉浦駿介(3年)がストップ。一方の桐生一は全員が決め、3位の表彰状を手にした。

 関東大会群馬県予選を2位で突破し、B組トーナメントで頂点に立った桐生一。「初タイトルだけど、3位というのがウチらしくて良いですね」とほほ笑んだ中村コーチは「3勝してインハイという大目標が達成できて良かった」とホッとした様子。3試合で16得点5失点という爆発力を引っさげ、「不安でしょうがないですけど、ウチは攻め続けます」という総体県予選に向けて気持ちを切り替えていた。

(取材・文 竹内達也)

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