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「この2試合は失敗できる」“完全復活”乾がスイス戦で試したいこと

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練習中に笑顔を見せるMF乾貴士

 さあ試合だ。日本代表MF乾貴士(ベティス)は6日の非公開練習後、「100%に近い感じでコンディションは上がってきている。すごくいい感じでトレーニングできている」と、完全復活をうかがわせる充実の表情を浮かべた。

 5月に右大腿四頭筋を負傷し、リーガ・エスパニョーラ最終節を待たずに帰国すると、5月21日に始まった国内合宿は別調整が続き、同30日のガーナ戦(0-2)も欠場した。それでも「やろうと思えばできた」と万全を期し、事前キャンプ地のゼーフェルトに入ってからは完全合流。2部練習も含めてフルメニューをこなしてきた。

 8日の国際親善試合・スイス戦(ルガーノ)での実戦復帰が待たれる中、乾は試合勘を不安視する周囲の声も否定する。「試合勘と言ってもそんなに離れているわけではない。そこは気にしていない」。最後の公式戦出場は5月12日のラス・パルマス戦。約1か月ぶりの公式戦に向け、「試合になればやれると思っていた。あとはコンディションだけだと思っていたし、今は何一つ不安はない」と力説した。

 W杯本大会までに残された実戦の機会はスイス戦と12日のパラグアイ戦(インスブルック)のみ。「もちろん勝つに越したことはないけど、この2試合は失敗できる」と位置付ける乾は「前回のW杯を外から見ていた感想として、初戦の前に2試合とも勝って、いい感じで行ったけど、本番はああいう結果だった」と指摘する。

 4年前のブラジルW杯は直前の国際親善試合でコスタリカに3-1、ザンビアに4-3で勝利し、国際Aマッチ5連勝でブラジルに乗り込んだが、本番は1分2敗のグループ最下位で敗退した。この時期はあくまでテストマッチ。「監督も代わって、期間も短い。内容を一番求めていかないといけないし、どんどんチャレンジしてやっていきたい」と力を込めた。

 スイス戦で試したいのはチームとしての守備の仕方だ。「GKも足元がうまいし、チーム全体でつないでくる」とスイスの印象を語る乾は「スイスはつないでくる。そういうとき、どうハメにいくか。前からハメに行って、取り切れなかったときはどこまで戻してブロックをつくるのか。その共通認識をつくらないといけない」と、チームとしてのテーマを口にした。

「まずは守備。守備がうまくいかないと、すべてうまくいかない」。それはエイバルでの経験則に基づいた言葉でもある。「エイバルは小さいクラブだけど、いい守備ができればどんな相手にもいい攻撃ができる。それはこの3年間で学んできた」。攻撃の切り札となるドリブラーはまずは守備を意識したうえで、自身の武器を存分に発揮するつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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