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誰よりも昨年の悔しさ、全国への思い持つ主将、長崎日大MF牧村が1タッチスルーパスで決勝アシスト

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長崎日大高MF牧村拓主将は決勝点をアシスト

[6.7 総体長崎県予選準決勝 長崎日大高 2-1 諫早商高 長崎県立総合運動公園補助競技場]

 昨年、長崎日大高はインターハイ予選、選手権予選決勝でいずれも全国8強の長崎総合科学大附高に競り負けて準優勝。唯一の昨年からのレギュラーで「チームの誰よりも(昨年の悔しさ、全国への思いを)持っている自信がありますし、絶対に去年の悔しさを(決勝会場の)トラスタで晴らしたい」というMF牧村拓主将(3年)が準決勝で決勝点をアシストした。

 1-1で迎えた後半27分、中盤中央でパスを受けた牧村は相手の意表を突く1タッチでのスルーパス。タイミング良く相手CB間を抜け出したFW藤本蓮(2年)がGKをかわして決勝点を決めた。「決めたい、という気持ちが本当に強かったので、最初から前を見ていて(藤本が)いいタイミングで抜け出したので良かった」と牧村。それまで劣勢の展開が続いていただけに、決勝点が決まった際の心境について「ホッとしたっていう感じですね」と微笑んでいた。

 ポジションは昨年と同じくボランチ。守備面での危機察知とハードワークに自信を持っているMFは、攻撃型のチームのバランスを取りながらプレーしている。昨年からの役割に加えて、今年は攻撃面でもよりチームに貢献しなければならないという考え。チャンスでは相手ゴール前まで駆け上がり、ラストパスを配球していた牧村が決勝進出を決める大仕事もした。

 今大会2回戦ではPK戦の末、長崎総科大附にリベンジ。「去年、ずっと惜しいところまでいって負け続けていたんですけれども、全員気持ちが入っていたのでいけるかなと。どうしても意識してしまう試合だったので、勝った時は本当に嬉しかったです」と振り返る。ライバルに勝ったことも自信にあと1勝をもぎ取るつもりだ。

 主将を務める今年、“ヤンチャ”な選手が多いというチームをまとめるのは大変そうだが、「何回も同じことやられても根気強く言い続ける。周りを巻き込んで一人ひとりを変えていきたい」と語る。そして、「自分たちが力ないという自覚がある。その分、走って泥臭く勝ちたい。キャプテンとしてチームの雰囲気が悪い時は変えたり、そういうチームを引っ張る役割をしっかりしたい」という主将が、言葉と背中でチームを良い方向へ導き、仲間の力を結集して今年こそ全国切符を掴む。

(取材・文 吉田太郎)
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