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2年間のプレミア経験で得た“基準”。神戸弘陵が慌てず、後半3発で兵庫決勝へ

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後半13分、MF中濱悠斗の先制点を喜ぶ神戸弘陵高の選手たち

[6.8 総体兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 3-1 市立西宮高 アスパ五色 メイングラウンド]
 
 全国制覇狙う神戸弘陵が兵庫決勝へ。8日、平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)兵庫県予選準決勝が行われ、神戸弘陵高市立西宮高が対戦。神戸弘陵がMF中濱悠斗(3年)の先制FKと交代出場FW沖吉大夢(2年)の2ゴールによって3-1で勝った。神戸弘陵は4年ぶりの全国大会出場を懸けて、10日の決勝で市立尼崎高と戦う。 

 2年間プレミアリーグで戦ってきた経験がチームの“基準”になっている。今年、プリンスリーグ関西で無敗首位の神戸弘陵は中1日で行われる決勝への疲労も考慮し、10番MF高野裕維主将(3年)や中濱ら主力組の半数と「トレーニングで頑張っている選手」(谷純一監督)を組み合わせた陣容。それでもボランチの位置からゴール前の崩しに絡んでくる高野らによる細かいパスワークに、高精度の左足を持つ中濱や左SB河野太陽(3年)のロングキックなども交えてシュートチャンスを作り出す。

 一方、8強入りした11年度選手権以来となる全国を目指す市立西宮は3バックの中央で潰しに、カバーリングにと大車輪の働きを見せるCB柏木完太主将(3年)中心に踏ん張って前半を無失点で終える。攻撃面でも回数こそ少なかったが、ビルドアップからハイサイドのスペースを突いてクロスまで持ち込むなど対抗していた。

 前半、神戸弘陵は市立西宮の健闘を許す展開に。それでも高野が「これまでも前半0-0や1-0でも後半に3、4点決めることができている。自分たちは後半強いチームだと思う」と語り、中濱も「前半ゼロで終わっても後半全部ひっくり返していたので、そこは余裕を持って。後半、自分たちは力出せるのでそこを信じてやっていました」というように、神戸弘陵は慌てない。

 後半開始から、沖吉とFW永吉愛樹(3年)を同時投入してギアを上げた神戸弘陵は6分、沖吉の左クロスから永吉が決定機を迎え、12分にも1年生MF田中魁人が決定的なヘッドを打ち込む。だが、いずれも市立西宮GK下元駿也(2年)がビッグセーブ。前半同様、集中力の高い守りによって食い下がって見せる。

 それでも後半13分、神戸弘陵がスコアを動かす。中央、ゴールまで約25mの位置で獲得したFKから中濱が左足を振り抜く。グラウンダーのボールは濡れたピッチで伸び、そのままゴール左隅に突き刺さった。

 応援席に駆け寄った中濱中心に喜びを爆発させる神戸弘陵イレブン。市立西宮もFW田上正彦(3年)のミドルシュートなどで反撃する。だが、神戸弘陵は26分、DFのクリアボールに反応した沖吉が左足ダイレクトボレーをゴール左隅に突き刺して2-0と突き放した。

 神戸弘陵は貪欲に3点目を狙うが、市立西宮は気持ちを切らすことなく、戦い続ける。CB今井慈玄(3年)をはじめ、堅い神戸弘陵の守りに跳ね返されていたが、それでもゴールに向かうと、アディショナルタイム突入後の36分に1点をもぎ取った。FW小野渚(2年)のループパスから右サイドを深く切れ込んだMF藤原大志(2年)がラストパス。ここからMF弘岡優(2年)が連続でヘディングシュートを放つ。そして最後はこぼれ球を田上が右足でゴールをこじ開けた。

 ベンチ、スタンドが湧く中、市立西宮はダッシュで自陣へ戻り、試合再開。同点を目指す。だが、神戸弘陵は38分、右サイドから田中が入れた斜めのパスを受けた沖吉が、コントロールから素早く左足シュートを放つ。ファインショットが左隅に決まり、3-1。後半の3得点によって市立西宮を振り切り、決勝進出を果たした。

 神戸弘陵の谷監督は「2年プレミアにおったんで、(その時間、状況によって)守備で何しないといけない、攻撃で何しないといけないのか分かっている。基準は県1位ではなく全国トップクラス。その意識を持ってやっていくのが大事になる」と語った。プレミアリーグでの戦いから学んだ“基準”。選手たちはスピード感や球際の強度はもちろん、先に失点しないこと、失点直後に取り返したこの日のように勝負どころでどうゲームコントロールするかなど、高校年代最高峰のリーグ戦で学んだことをトレーニングから意識し、ゲームで発揮している。

 高野は「内容が悪くても勝ち続けるチームでないと、勝たないと意味がないので、勝ちにこだわっています。プリンスで1位なんですけれども、(関西のトップクラスと)やり合えるというのは感じています。負けなしというのはいいところだと思うので決勝も勝っていきたい。日本一になるまで負けられない」。目標は日本一。全国でプレミア勢や他の優勝候補を倒して頂点に立つことを掲げて日々を送る神戸弘陵が、まずは決勝を制して全国出場権を獲得する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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