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交代出場の2年生FW沖吉がインパクト十分の活躍。ファインショット2発で神戸弘陵を決勝へ導く:兵庫

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後半26分、ゴールを喜ぶ神戸弘陵高の2年生FW沖吉大夢(右)

[6.8 総体兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 3-1 市立西宮高 アスパ五色メイングラウンド]

 出場時間は後半の35分間のみ。その中で鮮烈なインパクトを残した。神戸弘陵高の2年生FW沖吉大夢は0-0の後半開始から出場。左サイドからのクロスでチャンスメークし、ミドル弾を枠へ打ち込むなど存在感を示した沖吉は、いずれもファインゴールだった2得点によってチームを決勝へ導いた。

 まずは1-0の後半26分、PA外側でこぼれ球に反応すると左足ダイレクトボレー。これが左ポストを強く叩き、そのままゴールネットに吸い込まれる。さらに1点差とされて迎えた後半アディショナルタイム4分には、右後方のMF田中魁人(1年)から出されたパスをコントロールし、流れるような動きから左足シュート。これが左隅を破り、勝利を決定づけるゴールとなった。

 谷純一監督は「あんな素晴らしいやつ決めるんやったら簡単なところも決めて欲しい」と苦笑い。本人も「それまで迷惑かけていたので、チャラにもならない」と首を振る。今大会は出番を得ながらもなかなか結果を残せず、チームに迷惑をかけてきたという思いがある。だからこそ、インパクト十分だったこの日の2ゴールにも満足感はなかった。

 今後注目度を高めそうなタレントだ。コーチ陣や先輩選手が「抜群に良い」と認めるキックの巧さがある。右利きだが、「どっちで蹴るのも躊躇ないので、ボールが止まっている足で自然に蹴れる感じです」と語るように、両足ともに精度高いキックの感覚は素晴らしい。

 神戸U-15時代は中盤で「パスとか精度でやってきた選手なのでそれは自信を持っている」と沖吉。高校入学後、怪我に悩まされたが、その間に筋力アップと増量して復帰後は自身も重いと感じるほど逞しい身体になった。そして「ポジション変わったのでシュート、前に行く意識が変わりました。ゴール取りたいという貪欲さも」という沖吉はプレースタイルも変化。巧さに加えて積極性と力強さが増し、チームから認められる存在になってきている。

 憧れは神戸入りしたMFイニエスタ。「(神戸入りが決まり)めちゃめちゃテンション上がりました」と笑っていたが、神戸弘陵の勝利に貢献し続けることができれば、同じピッチでプレーするチャンスを得られるようなポテンシャルがある。まずは目の前の決勝に集中。「チームの目標である日本一獲るために、次の決勝が本当に大事になる」という一戦で再び勝利に貢献して、全国で大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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