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PK外し、「負けたと一瞬思った」瀬戸際から2本ストップ!市立尼崎GK山下が歓喜の中心に:兵庫

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PK戦で2本をストップした市立尼崎高GK山下颯太

[6.8 総体兵庫県予選準決勝 滝川二高 1-1(PK8-9)市立尼崎高 アスパ五色メイングラウンド]

 PK戦8人目、絶対の自信を持っている右足シュートがポストを叩いた瞬間、市立尼崎高GK山下颯太(3年)は「ホンマに心臓止まるくらい。試合負けたと一瞬思った」という。PK練習で全く外したことの無かったシュートを止められ、覚悟した敗戦。だが、山下は直後に滝川二高8人目のシュートを左へ跳んで止めて見せる。

「(自分がシュートを外した際、)先生の声が聞こえて、『この後、オマエが止めればチャラや』と言ってくれたので、自分信じて思った方に思い切り跳んだ」山下がミスを取り戻すビッグセーブ。そして10人目、山下は再び左へ跳んでシュートを止めて歓喜の中心となった。

 PK戦に関しては、PKセーブを得意としていた先輩GK森本直樹からアドバイスを受けていた。「ボールの置き方と軸足の置き方見たらたまに(キッカーが蹴る方向を)パッと見てしまうことや軸足が蹴る方向向いている時がある。あと目線や試合中こういうプレーしていたとか……」教えてもらったことを活かして2本セーブ。全国への道を繋いだ。

 この日は延長戦を含めた90分間でも安定したプレーを続けていた。延長後半には相手の強烈なミドルシュートをファインセーブ。本人はキャッチミスがあったり、ハイボールの部分での課題を口にしていたが、勝利の立て役者の一人であったことは間違いない。

 決勝は神戸弘陵高と対戦する。敗戦直前から諦めずに勝利を引き寄せた守護神は「1回外したことでチームを不安にさせてしまっていたので、とりあえず勝てて安心しました。(決勝は)勝たないといけない。先輩が去年初めて全国に連れていってくれたので、2連覇がかかっているし、相手は当然勝つつもりで挑んでくると思うので、こっちが逆に市尼旋風起こして勝ちたい」と誓った。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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