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[MOM2540]浦和南DF庄司千暁(2年)_いざ、全国返り咲きへ。『最後の年』に生まれた男が決勝点

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決勝点となるFKを直接叩き込んだ浦和南高DF庄司千暁(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.10 総体埼玉県予選2回戦 浦和南高2-1西武文理高 浦和南高G]

 自ら招いた嫌なムードを自慢の右足で一掃した。浦和南高DF庄司千暁(2年)は1-1で迎えた後半38分、ゴール正面約20mからのFKを直接叩き込み、初戦突破に導く決勝点を記録。相手の同点ゴールを自身のミスで喫していただけに、「最高でした」と喜びもひとしおだった。

 キッカーに立ったのは庄司とMF大坂悠力(3年)。普段はピッチの左右で分担しているが、「真ん中だったので迷った」という。「どっちが蹴る?」と尋ねた庄司に対し、「蹴って良いよ」と答えたという大坂。前日には野崎正治監督に「責任を持って蹴れ」と伝えられていたこともあり、思い切って右足を振り抜いた。

 しかし、飛んだコースは予想とは全く違うものだった。「ゴールの左上を狙っていたんですけど、壁が空いていたところに飛んで、そこに当たって入って……。ラッキーでした」。殊勲の活躍を見せた2年生DFは「流れが悪かったので決められて良かった」とやや苦笑い気味に振り返った。

 また、その悪い流れは自らが招いたものでもあった。後半27分、相手の同点ゴールはカバーリングに入った自らの“ラストパス”が起点。「ドリブルしてきたボールを蹴っちゃって、そこから相手に渡って……。うわあ、マジか、やっちまったって思いました」。土壇場の決勝ゴールは“汚名返上”の一撃でもあったようだ。

 これでうれしい初戦突破。「無失点で進んでいくことが目標だったんですけど、今日は決められてしまったので、もう一回締め直していきたい」。浦和南が最後に全国大会に出場したのは2001年度の選手権。まさにその年に生まれた若きCBが、伝統校復活への火ぶたを切った。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校総体2018

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