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[MOM2542]浦和東MF中野音央(3年)_「プロに入りたい」。勝負の夏に“人生を懸ける”ゲームキャプテン

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2点目を決めて喜ぶ浦和東高MF中野音央(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.10 総体埼玉県予選2回戦 朝霞西高0-4浦和東高 浦和南高G]

 試合を通じての存在感はピカイチだった。浦和東高のゲームキャプテンを務めるMF中野音央(3年)はピッチを縦横無尽に駆け巡り、鋭い読みを生かした気の利くプレーでチーム全体を掌握。こぼれ球に詰めてのゴールも決めてみせ、夏の初戦突破に大きく貢献した。

「ズバ抜けた武器はないですが、中盤をやっている以上、自分が焦ったらチームがバラバラになる。なので、周りを見る目とか、予測する部分。あとミドルシュートとか、こぼれ球を狙って点を取るのが強みです」。あくまでも“バランサー”といった心持ちだが、どんなプレーもクオリティーは高い。

 左足の精度が高いMF志村直樹(3年)とセンターハーフを担うが、「彼はうまいので、自分は舵取りをする感じですね」と黒子に徹する構え。明確な長所を持ち、結果に絡む活躍ができる相方の手綱をうまく引きつつも、ピッチの至るところに顔を出す。この日は後半28分、ゴール前の混戦に潜り込み、チームの2点目も決めていた。

 昨季から主力を張っていたが、「全然ダメダメだった」と振り返る。「最高学年になって、ゲームキャプテンを任されてから、意識が変わってきた。プロに入りたいですし、大きな舞台で結果を出さないとダメ」。部長である茂木裕磨(3年)がなかなか出場機会を得られない中、「チームのことはやってもらっているので、ゲームで締める部分をやらせてもらっている」とピッチのリーダーを担う。

 埼玉県比企郡の川島中学校でプレーしていた“中体連”出身。試合登録をしないサッカークラブ『FCヴィスタ』にも所属し、二足のわらじで己の技を磨いてきた。「近所に選手権に出た年のメンバーが住んでいて、小学校の時からずっとすごいと思っていた」と選んだ浦和東で、人生初の全国行きを狙う。

「大きいのは選手権かもしれないけど、インハイは進路にも関わってくる。だから、一番は夏が勝負。人生懸けてやっていきます」。全ては「プロになる」という目標を叶えるため。成徳深谷高、昌平高など全国屈指の新興強豪校の居並ぶ埼玉で、伝統校のキャプテンがひそかに闘志を燃やしている。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校総体2018

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