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[MOM2543]國學院久我山GK生垣海渡(3年)_攻撃的GKが好守連発で延長勝利導く!

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好守を連発した國學院久我山高GK生垣海渡

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.10 総体東京都予選2次T2回戦 修徳高 1-2(延長)國學院久我山高 堀越学園総合G]

 シュートを止めるだけならば、他に評価を得ているGKがいる。國學院久我山高のGK生垣海渡(3年)は「自分はシュートを止めるというよりも、ビルドアップでボールを散らしたり、自分とCB中心にビルドアップできるのが強みだと思う」と自己分析し、清水恭孝監督も「生垣は攻撃的なGK。今年の(よりボールを大事に攻める)サッカーができるのは彼の存在が大きい」と口にしていた。
 
 だが、この日は攻撃的なGKが、守備の主役になった。カウンターからチャンスを作り出してくる修徳高の前に前半から決定的なシーンを作られたが、生垣はそのシュートを指先で触ったり、鋭い出足で相手のスルーパスを阻止したりするなど好守を続けていく。

 後半19分には、左サイドからのラストパスに反応したMF松林空(3年)との距離を詰めてブロックすると、30分にはFW刑部泰生(3年)との1対1を阻止して見せる。そして、互いに点を取り合って迎えた40分には一瞬の隙を突かれて中央のMF村山大翔(3年)にシュートを打たれたが、距離を詰めた生垣が再び身体に当てて大ピンチを凌ぐ。清水監督も「ビッグセーブをしてくれた」とマン・オブ・ザ・マッチに推した生垣の活躍が、延長後半終了間際の決勝点と勝利に繋がった。

 生垣は「こんなに止めた試合はあまりなかったので嬉しかったです。試合に出て、きょうの試合のようにシュート止めたり、いいプレーできると周りも喜んでくれるし、自分も嬉しいです」と頬を緩めた。

 元々、生垣は小学校5年生までフィールドとGKを両立。小学校6年生からGKに専念するようになったという生垣は、ビルドアップやフィードに自信を持っているGKだ。この日も高い位置取りをしてポゼッションに加わっていたほか、カウンターからサイドへのフィードでビッグチャンスの起点になったシーンもあった。だが、修徳戦でそれ以上に光ったのはむしろ守備の方。今年、レベルアップしてきたというシュートセーブを白星に結びつけた。

 横浜FCジュニアユース時代は年代別日本代表のGK大内一生(現横浜FCユース)の陰に隠れる存在。國學院久我山では1年、2年とスタンドから応援する立場だったという。「悔しい気持ちを持ってやってきた。自分は1年も2年も選手権やインターハイはスタンドで。見ている景色が違って、ずっと出ていた人よりも出ていなかった人の気持ちが分かっていると思う」。3年間ゴールを守っていたGK平田周が卒業した今年、久我山の守護神の座を任されている生垣はスタンドの仲間たちの思いも胸に戦っている。

 そして攻撃面の特長を出すだけでなく、守備でも活躍し、全国まであと2勝。この日の勝利の喜びに浸るのではなく、「次2個勝って、あの時勝って良かったとしたいです」という生垣が、今後も仲間のために戦い、チームの勝利に貢献し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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