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「サッカー界のボルト」ベルギーのFWルカクが貫禄の2発

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ロメル・ルカクは強くて速い

 初戦の重圧を跳ねのけ、周囲の期待に応えた。ベルギー代表のFWロメル・ルカクはW杯初戦のパナマ代表戦で2得点をあげ、勝利に貢献。最後まで走りぬいたエースは試合後、ピッチにひざまづいて祈りながら、自らの健闘をたたえた。

「わがチームには才能ある選手がたくさんいる。今日にむけてみんなで準備してきたし、さらに難しくなる次の試合にむけて準備しなければいけない。(2得点をあげた)個人的なことはあまり気にしていない。一番大切なのはチーム。仲間をできる限り助けたいんだ」(英国メディア『BBC』)

 ベルギーは最新のFIFAランクで3位につけ、このW杯の優勝候補にもあげられる。しかし今大会は同1位のドイツ代表が初戦でメキシコ代表に敗れ、2位のブラジル代表もエース・ネイマールが不発でスイス代表に引き分け。順位通りの展開になっていない。ルカクのほか、攻撃陣に主将のエデン・アザールケビン・デ・ブライネなど英プレミアリーグで活躍する選手を擁するベルギーの戦いは、注目されていた。

 前半こそパナマのDFロマン・トーレスらを中心に、体をしつこく寄せる守備に手こずったが、後半2分、ドリース・メルテンスのゴールで先制すると、ベルギーの攻撃陣が本領を発揮。同24分、ゴール前に控えていたルカクは、左サイドからのデ・ブルイネのクロスに鋭く反応。相手DFの前に体を入れて、身を投げ出すようにしてヘディングを決めた。さらに同30分、ベルギーのDF陣が自陣ゴール前でボールを奪うと、一気にカウンターを仕掛ける。アザールがドリブルで直進し、スペースに出した長いスルーパスに対し、ルカクが一気に追いつく。ワンタッチで左足で決め、勝利を決定づけた。

 ルカクは身長191cm、体重95kgと筋肉の鎧で覆われ、スピードも抜群。16歳の時、ベルギーリーグで史上最年少の得点王に輝き、その名を轟かせた。ロシアW杯へむけた欧州予選であげた11点は、ポーランド代表ロベルト・レバンドフスキの16点、ポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドの15点に次ぐ3位だ。 2017年、英紙の『デイリーミラー』は各選手のトップスピードランキングを紹介。その時、34・6㎞で1位に輝いたのが、名門・マンチェスター・ユナイテッドに移籍したばかりのルカクだった。陸上の男子100mの世界記録保持者・ウサイン・ボルトが記録した9秒58を出したときの時速37・6kmには及ばないものの、同紙は「世界陸上に出場していたウサイン・ボルトの時代は終わったかもしれないが、新たなスプリントキングはユナイテッドのシャツを着ている」と独特の表現で、新時代の怪物の出現を歓迎した。

 一方、スポーツ速報のウェブサイト『Sports Courant』は厳しい分析をする。
「プレミアリーグのトップ6(マンU、マンC、チェルシー、リバプール、トットナム、アーセナル)相手にはゴールが少ない」

 2017年シーズンにルカクは16ゴールをあげたが、上記5チームからはわずか1ゴール。強豪相手にはゴールを量産できない弱点を指摘された。普段から厳しい英メディアにさらされるルカクは3月、24歳322日と史上5番目の若さでプレミアリーグ通算100ゴールを達成。それでもクラブの公式サイトに掲載されたコメントは、とても謙虚だった。

「個人記録については話したくない。自分よりチームを優先している。僕はストライカーでこれからもゴールを決める。ゴールと一緒にトロフィーも勝ち取りたいね」

 ルカクのゴールが勝利に直結する。それはベルギー代表も同じだ。25歳の怪物は、雑音を封じるためにも、貪欲にゴールを奪い続け、ベルギーを初のW杯制覇に導く。

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