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目標は「日本一」。U-16代表のエース、桐光学園FW西川潤が高校進学後初の全国へ:神奈川

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U-16日本代表のエースFW西川潤(桐光学園高)

[6.16 総体神奈川県予選準決勝 桐光学園高 1-1(PK8-7)厚木北高 等々力]

「サイズがあって、スピードもあるレフティー。中央から打開できる選手はそんなにいないと思っている」。桐光学園高の鈴木勝大監督はU-16日本代表のエースFW西川潤(2年)の持つ抜きん出た才能を認めている。

 だからこそ、求めているものは高い。鈴木監督はこの日の出来について「(持っている力の)5パーセント」と厳しい評価。本人もボールを引き出すことができていなかった前半について猛省していた。PK戦の末に全国出場を決めたが、無得点に終わった“代表決定戦”に満足はしていない。

 ただし、昨年までとの大きな変化を感じさせていたことも確かだ。この日、西川はDFが1人、2人寄せてきても「このチーム引っ張ってやろうと自分で思ってやっている」という思いが伝わるようなプレーを連発していた。前半にはPAやや外側の混戦でゴールに背を向けた状態から強引に前を向いて決定的なラストパス。厳しいチェックを物ともせずにドリブルで前進し、ラストパスやシュートを打とうとしていたFWは、後半も一人で持ち込んで左足シュートを放ち、延長戦でも2人をかわしてシュートを打ち込むシーンがあった。

 回数は多くなかったかもしれないが、個で相手の守りをこじ開けるなど背中でチームを引っ張っていたエース。本人は今、プレー面以上に安定して力を発揮することにこだわっている。「(自分でやり切ることを)出せるメンタルの持ち方だったり、今、プレー面よりもメンタル面を重視してやっていこうと思っている。2年生になって自分がやってやるんだという自覚が芽生えてきて。メンタルの持ち方を重視してやっています」。その変化がエースの動きをより際立たせている。

 今夏のインターハイは自身にとって、高校入学後初の全国大会となる。「もちろん、やるからには日本一、優勝目指してやらないといけない。個人としても、しっかりとチームに貢献できるような活躍をしていきたい」と西川。前日はU-16インターナショナルドリームカップ(仙台)に出場中のU-16日本代表がセネガルに敗れる映像を見た。今秋、19年U-17W杯アジア最終予選に臨むU-16代表のエースは代表への思いも持ちながら、桐光学園でのプレーに集中して獲得したインターハイ切符。アジアでの活躍の前に、注目エースはようやく勝ち取った全国舞台で大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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