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交代選手が『違い』をアピール…市立船橋、“被シュート1本”完封劇で6年連続全国へ:千葉

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6年連続での全国大会出場権を獲得した市立船橋

[6.16 総体千葉県予選準決勝 日体大柏高0-2市立船橋高 柏の葉]

 平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)千葉県予選は16日、柏の葉公園総合競技場で準決勝を行った。前年度全国4強の市立船橋高日体大柏高を2-0で下し、6年連続での全国大会出場権を獲得した。

 序盤は5-2-3のような布陣でブロックを敷く日体大柏に対し、4-3-3で攻める市立船橋は攻めあぐねる形が続いた。だが、徐々にゴールに近づける時間帯が増えると、前半30分にはDF松尾勇佑(3年)が左サイドを猛然と突破。シュートは相手DFにブロックされたが、同38分にはGK田中悠也(3年)の弾丸パントキックにDF畑大雅(2年)が抜け出すなど、サイドからの突破を有効に使っていた。

 一方、日体大柏はFW長崎陸(2年)、MF伊関新(3年)を中心にしてカウンターを試みるが、五分五分のボールにしっかり詰める市立船橋の選手たちを前に、優位に立ちたいフィジカルスキルをなかなか生かせない。1本もシュートを打てないまま前半を終えると、ハーフタイムにはFW耕野祥護(2年)、MF小林智輝(1年)を入れ、後半の攻勢に望みを懸けた。

 市立船橋もハーフタイムにMF佐藤圭祐(3年)を投入し、後半14分にFW鈴木唯人(2年)、MF井上怜(3年)を一気に起用。すると、試合の流れは一変した。直後の同15分、右CKを鈴木がショートで送ると、ニアで受けた井上がクイックターンでサイドを突破。ファーにふわりと上げたボールを畑が頭で叩き、待望の先制点が入った。

 さらに攻勢を強めたい市立船橋は後半28分、左サイドでボールを持った鈴木とのワンツーで井上が再び左を駆け上がり、ノールック気味に折り返しのボールを配給。ここに走り込んだ鈴木が右足シュートで流し込み、「個でも打開できるカードを持っているのが強み」(朝岡隆蔵監督)という交代選手たちが『違い』を見せ、リードが2点に広がった。

 その後も市立船橋は主導権を譲らない。両サイドに流れてボールを受ける井上が対面の相手をかわすと、2列目からの攻撃参加も活性化。PA左に走り込んだDF岡井駿典(3年)のミドルシュート、クロスに反応した鈴木のダイレクトシュートはいずれも枠を外れたが、攻め続けるままにタイムアップ。終わってみれば、相手をシュート1本に抑えての完勝劇だった。

 朝岡監督は試合後、「相手は5-2-3で蹴り込んでくるので、セカンドボールを拾えるかが勝負の分かれ目だった」と勝因を指摘。チームのモチベーションビデオはPK戦で敗れた昨季全国高校総体準決勝の日大藤沢戦の映像だといい、すでに全国大会に向かう心構えはできている。「成長させて、競争させて、できることを増やしていきたい」(朝岡監督)。残り1か月半でさらなる上積みを遂げ、2016年以来2年ぶりとなる全国の頂点を狙って行く。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校総体2018

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