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長友が挑む「地獄」の3番勝負第1弾は“超サイヤ人vsスピードお化け”

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ウォーミングアップするDF長友佑都

 何度も口にしてきた“地獄の左サイド”でいかに勝っていくか。日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)の頭の中には攻略のイメージがしっかりとできている。3日後に控えたW杯初戦のコロンビア戦を前に思い浮かべた顔は、かつてセリエAで何度も対峙してきたMFフアン・クアドラード(ユベントス)。長友が「スピードお化け」と呼ぶ韋駄天アタッカーは右サイドを主戦場としており、長友とのマッチアップが予想される。

「僕はサイドバックなのでまずはクアドラードを止めるのが先決。でも、後ろに張り付いていると彼が守備をしなくて済むので駆け引きをしていかないといけない。状況を見て、高い位置を取るのか、前の選手とのコンビネーションで連動していくか」

 駆け引きの中で注意しなければいけないのは、中途半端に高い位置でボールを奪われたときだという。「そういうときのクアドラードのスプリントがえげつない。スピードでは世界トップレベルの選手なので、ふらっと前に行くだけではやられる」。クアドラードの怖さについてはチームメイトにすでに伝えている。

「一番怖いのはスペースを空けて、そこに彼に入られること。そうなれば彼が一番乗ってくるので、乗らせたくない」。警戒する言葉が次々と出てくる。

 コロンビアとは深い因縁がある。14年のブラジルW杯グループリーグ最終戦。“裏カード”との兼ね合いで後半に大量点を取る必要が出た日本は、前がかりになって失点を重ね、1-4で敗れた。

 名門インテル所属の看板を引っ提げて出場していた長友は、抱いていた野望を打ち砕かれ、試合終了と同時にピッチに座り込んで涙した。インテルの同僚だったMFフレディ・グアリンをはじめ、何人ものコロンビア選手が長友に近寄り、慰めた。

「何か縁があるんでしょうね。4年前、ズタズタにされて僕がピッチで座っていると、コロンビアの選手が励ましてくれた。あの光景はもうつくりたくない。逆の立場になれるくらいのプレーと結果を求めていきたい」

 19日の試合は現地時間午後3時キックオフということで気温が25度を超えることも予想される。体力の消耗も考慮する必要が出てくるが、「賢くプレーするとかよりも、僕らはまずは泥臭くやらないと」と長友は言う。「左サイドは地獄だらけ」と話すようにコロンビア戦後もセネガルのFWサディオ・マネ(リバプール)、ポーランドのMFヤクブ・ブラスチコフスキ(ボルフスブルク)、DFウカシュ・ピシュチェク(ドルトムント)と“難敵”が続く日本の左サイド。自分史上最も強い心意気で、まずはコロンビアに立ち向かう。

(取材・文 矢内由美子)

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