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三浦学苑が0-4のリベンジ!初出場初優勝した12年以来となる全国へ!!:神奈川

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6年ぶりとなる全国出場を決めた三浦学苑高イレブン

[6.16 総体神奈川県予選準決勝 三浦学苑高 2-1 東海大相模高 等々力]

 三浦学苑が日本一に輝いた12年度以来となる全国へ! 平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)への出場権2枠を懸けた神奈川県予選は16日、準決勝を行った。関東大会予選決勝と同カードとなった東海大相模高三浦学苑高戦は三浦学苑が2-1で雪辱勝利。6年ぶり2回目の全国大会出場を決めた三浦学苑は17日の決勝で桐光学園高と戦う。

 関東大会予選決勝は東海大相模が4-0で快勝。三浦学苑は、その後行われた神奈川県1部リーグでの再戦を3-1で制していたが、枝村隼人監督は「トーナメントの借りはトーナメントで返すしか無い」と選手に伝えていたという。ゲーム主将のMF能勢海翔(3年)も「トーナメントでの借りはトーナメントで返す。きょうの一戦にかける気持ちは強かったです」と振り返っていたが、序盤からハイプレスで流れを引き寄せに行った三浦学苑が前半に2点をリードする。

 まずは17分、左サイドハーフウェーライン付近から仕掛けたMF杉山十椰(3年)が寄せの甘いDF2人を振り切ってエンドラン際まで切れ込む。そして出されたラストパスをMF三崎陸(3年)が右足1タッチでゴールへ押し込んだ。

 さらに23分にはエースFW川上渚(3年)が左足で右CKを蹴り込む。東海大相模の小さなクリアにいち早く反応したCB池崎鉄人(3年)が、右足ダイレクトでゴールに突き刺した。「良いところにこぼれてきた。相手よりも自分が先に足を出すことができた」という池崎のゴールで2-0。東海大相模は34分、甲府内定の注目MF中山陸(3年)の放った右足FKがゴール右上隅を捉えたが、三浦学苑GK浅岡琉星(3年)がファインセーブでかき出す。三浦学苑が2点リードのまま前半を終えた。

 ポゼッションを駆使して反撃する東海大相模は後半5分、10番MF中島優太(3年)が右サイドから切れ込んで出したラストパスのこぼれに左DF千島蒼生(3年)が反応。左足で押し込もうとするが、三浦学苑GK浅岡が至近距離からの一撃を再びビッグセーブしてみせる。

 東海大相模は中山やMF有馬和希主将(3年)、中島が多く絡みながらボールを動かし、左のFW女井寛司(3年)と右のMF横山翔大(3年)が縦に仕掛けて三浦学苑にプレッシャーをかける。だが、三浦学苑は「相手の中盤は個人技があったり巧かったので、もうひとりのボランチ(末次怜、3年)と声を掛け合いながら、出るところは出て、内に絞るところは絞ることを徹底していました」という能勢と末次のダブルボランチが中盤でバランスよく守り、最終ラインでは好カバーリングを見せていた池崎やCB今野功基(3年)が相手の攻撃を跳ね返していく。

 そして、前線で攻守によく走り続けていた川上と俊足FWウォー・モハメッド(3年)の2トップがボールを収めて押し返す。東海大相模は18分、縦パスからPAで切り返した横山が相手ハンドを誘ってPKを獲得。これを中山が右足で決めて1点差とすると、23分には中山が右サイド後方から蹴ったFKがゴール前に抜ける。これを千島が左足で押し込もうとするが、三浦学苑GK浅岡が反応して同点を阻止する。

 中山も指摘していたが、ビハインドを取り戻そうとするあまり、東海大相模は普段よりも個人プレーが増えてしまっていた。逆に右SB青山樹(3年)、左SB松永拓巳(3年)が相手サイドアタッカーの仕掛けに食らいつき、局面で数的優位を作りながら守った三浦学苑は33分以降、カウンターから川上が三度決定的なシュートまで持ち込んで見せる。

 三浦学苑は枝村監督の「(相手の攻撃よりも)速く準備して、スピードダウンさせること」「粘り強く守りながらカウンターを狙うこと」を徹底。指揮官も「選手が粘り強くやってくれました」と評した三浦学苑が東海大相模にトーナメント戦での雪辱を果たし、初出場初優勝を果たした12年以来となるインターハイ出場を決めた。

 枝村監督によると、関東大会予選の成績や個性的な面、学年カラーが赤である部分など6年前と共通点も多いという今年のチーム。池崎は「(全国大会は)優勝しか考えていない」と語り、能勢も「全国制覇という目標を掲げて、まず1勝目を狙ってそこから勝ち上がっていきたいです」と意気込んだ。静岡学園高や立正大淞南高、武南高など伝統校連破して“三浦旋風”を巻き起こした6年前。当時とチームカラーは異なるが、粘り強く戦い抜く力を持つ三浦学苑が今夏、全員で全国に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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