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目標は選手権の8強超え、日本一。明秀日立が雨中の茨城頂上決戦制す!!

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全国大会で日本一に挑戦する明秀日立高イレブン

[6.20 総体茨城県予選決勝 明秀日立高 2-0 鹿島学園高 カシマ]

 20日、平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)茨城県予選決勝が行われ、1月の全国高校選手権で初の8強入りをした明秀日立高とインターハイ予選3連覇を狙う鹿島学園高が対戦。明秀日立がFW森本健太郎(3年)と交代出場MF津村夢人(3年)のゴールによって2-0で勝ち、3年ぶり3回目となる全国大会出場を決めた。

 激しい雨の中で開催された茨城頂上決戦は明秀日立が勝利した。エースFW二瓶優大(3年)が膝のけがのために長期離脱中の明秀日立だが、注目CB高嶋修也(3年)やCB飯塚翼(3年)、MF成島茉宏(3年)、MF作山雅紀(3年)の選手権8強メンバーが先発。一方の鹿島学園はいずれも昨年の優勝メンバーであるCB佐藤悠(3年)やエースFW金原朝陽(3年)がスタメンに名を連ねた。

 前半2分、明秀日立が先制パンチを放つ。飯塚の縦パスをFW鎌上翔平(2年)が競り勝つと、一瞬の加速で相手の背後を取った森本がGKとの1対1から左足シュートを流し込んだ。準決勝で先発を外れたFWがいきなり残した結果。成島が「最初から行ってやろうと。自分たちは入り方をしっかり徹底して前から行くようにしている。その形がハマったので良かった」と語り、森本は「1点獲れば絶対に勝てるという気持ちがある。高嶋はじめ飯塚、深町で安定して守ってくれる。(守備面には)自信がありますね」とDF陣への信頼感を口にしていたが、立ち上がりからプッシュした明秀日立が大きな1点をもぎ取った。

 その後はロングボールのセカンドボールを拾い、MF仲佐友希(2年)らがサイドへ散らして攻める鹿島学園が相手陣内での時間を増やす。そしてエース金原が獲得したFKやクロスをゴール前に入れるが、明秀日立はいずれも高さのある高嶋、飯塚、DF深町琢磨(3年)の3バックがほぼ完璧に跳ね返し、実力派GK木村謙一(3年)も「安定していた。ミスも無かった」(大塚義典GKコーチ)と認められるプレーを継続。激しさを増す雨の中で1-0のまま試合を進めていく。

 ただし、目指してきた「波状攻撃」を表現することができない。司令塔のMF川上璃久(3年)をポイントにボールを前に運び、左クロスを鎌上が落として森本が右足シュートを放つシーンもあったが、攻めきる前にボールを奪われるシーンが多かった。

 明秀日立は「後ろのバランスが崩れることが嫌だった」(萬場努監督)という理由で4バックへ移行。激しい雨の中、攻撃面の良さを出すよりも失点のリスクを消す戦いを選択する。鹿島学園は佐藤やGKキージェームス・ノブマサ(3年)を中心に相手の攻撃を跳ね返すと、右SB池田彪真(3年)の攻め上がりやFW磯部直也(3年)の抜け出しから反撃。後半15分にはMF橋口永羽(3年)の右アーリークロスに磯部が飛び込むが、わずかに合わせることができない。

 明秀日立は抜群の高さを見せる高嶋を中心とした4バックが強固。また成島がスペースへのボールを広範囲にカバーするなど鹿島学園につけ入る隙を与えない。そしてセットプレーの数を増やし、右サイドで入れ替わった森本の決定的なクロスなどで2点目を狙う。終盤、相手のミスに乗じてチャンスを作った明秀日立は40分、前線で鎌上が競り勝つと、交代出場の津村が右足シュートを右隅に決めて2-0。鹿島学園は終了間際に金原が放った左足FKもGK木村に止められ、シュート計4本で無得点に終わった。

 茨城2冠を達成した明秀日立の目標は選手権での8強を越えて日本一だ。高嶋は「1か月、2か月前から土日に続けて練習試合をしたり、インターハイの全国大会を想定してやってきた。(目標は)日本一です」と力を込める。3連戦から休養日1日を挟んで準々決勝、準決勝、決勝が3連戦で行われるインターハイを想定したスケジュールを組み入れて強化。守備ブロックの安定感、迫力のある攻撃に加え、「日替わりで誰が出てもというところは意識しています」(萬場監督)という選手層の厚さで目標に本気で挑戦する。
 
 森本は「去年全国ベスト8という目標で一年間やってきて達成できた。そこを越すというのは言っていて、そうしたらもう日本一だろうと。インターハイから日本一を狙っていく」と語り、成島は「自分たちの目標は日本一になることなので、それへ向けて全員でチャレンジしていきたい」と宣言。2-0で快勝した決勝も圧倒できなかったことを悔しがるなど、意識高い明秀日立が全国で再び躍進を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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