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セネガルを喰らう!!日本第2戦の注目選手は…サッカー大好きセネガル人のアブさんが語る

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セネガル人のバ・アブさん(左)と【ブルーバオバブアフリカ】店長の下和田里咲さん

 ロシアW杯でグループHの日本代表コロンビア代表セネガル代表ポーランド代表と対戦。ゲキサカ編集部は3か国の料理店を取材し、対戦国を知るべく、その国々のグルメを喰らった。初戦白星スタートを切った日本は明日24日に第2戦・セネガル戦を迎える。決勝トーナメント進出を懸け、果たして日本は快進撃を続けることはできるのか――。セネガル料理を始め、アフリカのドリンクなども提供するカフェバー【ブルーバオバブアフリカ】(東京・赤羽橋)の店長・下和田里咲さん、そしてサッカーを愛するセネガル人のバ・アブさんにセネガル料理や同店の人気メニュー、セネガルのサッカー文化やスコア予想、注目選手などを聞いた。
(※取材日:2018年6月9日)

【ブルーバオバブアフリカ】はテーブル、ソファ、カウンターなどがあり、ゆったりと落ち着ける空間に


 元々は別の目的でお店を始めた店長の下和田さんだが、スタート時のスタッフにセネガル人がいたことが【ブルーバオバブアフリカ】のきっかけになった。「アフリカには興味があったけど、セネガルのことは最初はそこまで知らなかったんです」。スタッフのセネガル人に料理を教わりながらお店をスタートさせると、少しずつセネガルに行ったことがある人を中心に、来店するお客さんが増えていった。日本とセネガルの対戦が決まって以降はメディアからの取材が増え、サッカー好きな人の来店も。しかし、下和田さん自身は「(監督解任で)揉めているのはニュースで見てました…みんな頑張って!としか笑」とサッカーは詳しくないという。

母国の味を求めて、アフリカ系のお客さんもよく来るという


 セネガル料理にはイスラム教の食事ルール“ハラル”があり、アルコールや豚肉は使えない。肉は鳥や牛、ヒツジやヤギを使い、また海に面しているため魚やエビ、貝などもある。それらを煮込んでお米にかけて食べるため、日本人にも馴染みやすい料理が多い。

『スープカンジャ』は煮込んだオクラのスープをごはんにかけて食べる料理

あっさりしつつも後味はピリッと辛く、食欲をそそる


 定番メニューは『スープカンジャ』というオクラなどの野菜を煮込んだスープをごはんにかけて食べる料理。カレーの要領でスープとごはんを口に運ぶと、あっさりしたパームオイルの香りが口に広がり、ピリッとした後味がさらに食欲をそそる。野菜の旨味が凝縮されたスープはごはんとの相性が抜群。これからの季節に食べたくなる一品は、セネガル人のアブさんも「味が好き」と一番のお気に入りだという。

『カフェトゥーバ』は独特の香りのコーヒー。砂糖を多めに入れて飲む


 辛い料理の後にはコーヒーが飲みたくなる。セネガル独自の調合により生まれた『カフェトゥーバ』はそんなときにぴったりの一品。下和田さんも「見た目はコーヒーですけどコーヒーじゃない。薬膳のようなもの」というこの飲み物は、クローブというスパイスやペッパーがアクセントになり、苦味や香ばしさよりも独特の香りが目立つ。「新しいものをつくるのが好き」なセネガル人たちが開発したコーヒーは賞味の価値ありだ。

爽やかなハイビスカスジュース『ビサップジュース』。ほのかな酸味で疲れがとれる

試合当日の24日には観戦会も行う予定。詳しくはコチラ


 アフリカ大陸の西端に位置するセネガルは、初挑戦となった2002年日韓W杯でベスト8進出の快進撃を遂げた。元々国内ではセネガル相撲と人気を二分するほどにサッカー人気は高く、4大会ぶり2度目となる今大会に懸ける国民の期待も大きい。

 このお店に常連客として足を運ぶアブさんは生粋のサッカー好き。セネガルで生まれ育ち、日本には「一番知らない国で生きていくことができるかどうか、自分の力を試したかったから」とチャレンジ精神あふれる理由で9年前に来日した。元々サッカー好きだったアブさんにとって思い出深いのが、日韓W杯グループリーグ初戦で前回王者フランスを1-0で撃破した試合。「忘れられない試合」と振り返り、「今でもフランス戦を見たら、たまに涙が出ちゃう」とその熱の高さを垣間見せた。

――セネガルではW杯は盛り上がっていますか?
「日韓W杯以来の出場に盛り上がっています。前のチームと比べたらすごく技術力も高い。だから(日韓のベスト8より)もっと上に行けるかもって期待しています」

――セネガルで注目している選手は?
「DFカリドゥ・クリバリです。とても強くて、ディフェンスが上手い。サッカーはいくら得点を決めてもゴールを許したら勝てません。彼は元々、年代別のフランス代表だったけど、15年からセネガルに入りました。クリバリが入ってから8日の親善試合でクロアチアに負けるまで、セネガルはずっと負けていなかった(2次予選1勝1分、最終予選4勝2分)。それはつまりディフェンスが安定していたということです」

――世間ではFWサディオ・マネにも注目が集まっています。
「もちろんマネは外すことができない。エースだから。でも仕事をするのはエースだけではない。クリバリなど後方の選手たちが『絶対に守るから心配しないで前に行け!』と動いてくれる。それがあるから、前線は守備の心配をせずに自信を持って前に進んでいけるんです」

――日本で注目選手はいますか?
「MF乾貴士選手とMF原口元気選手です。この2人は諦めないんですよ。取られてもすぐに奪いに行く。それはすごく大事です。最終予選のオーストラリア戦でも原口はずっと走り続けていた。セネガルはそういう選手が苦手。動き続ける選手を止めるために、レッドカードやPKを与えるリスクが高くなってしまう」

――日本との対戦はどうなると思いますか?
「日本が初戦で勝つかによりますけど、そこで勝ち点を得たらしっかり守ってくるでしょう。セネガルは守りの堅いチームが好きじゃない。だから難しい試合になるかも。グループの中では日本が一番FIFAランクが低いけど、それでセネガルが絶対に勝てると思っていると危ない。日本にはMF宇佐美貴史選手のようなスピードのある選手もいる。そこまで日本は弱くない」

――ずばりスコア予想は?
「2-0でセネガルが勝ちます。(直近の親善試合を見て)今の日本はPKをよく与えている。W杯のような大会でPKは絶対に気をつけなければいけない」

――ちなみに、日本のサッカーはよく見るんですか?
「ずっと見ています。特に高校サッカーが一番好きなんです。すごく良いプレーが多いですよね。だから、なんでプロになると良い選手がいなくなるのかずっと疑問。お酒とか女の子とかかな…笑 疲れすぎなのかもしれない。高校生は本当に高いレベルでできている。でも20歳を超えるとレベルが落ちてしまう。FW武藤嘉紀はFC東京のとき本当にすごかったね。宇佐美もバイエルンに行ってリベリ、ロッベンとプレーしてすごいなあって。MF香川真司もマンチェスター・Uに行ってたし。今は少し全体的に影が薄くなってしまったね」

――日本の決勝トーナメント進出は?
「このグループはどのチームもグループリーグを突破できるレベルだと思います。突破できるチャンスはある。そのチャンスをどう生かすか。日本との対戦はできれば避けたかった。心の中にはセネガル以外何もない。でも日本も応援している。両方が勝ち進むことを祈っています」



【ブルーバオバブアフリカ】(東京・赤羽橋)
住所:東京都港区麻布台2丁目2ー12三貴ビル 2F
電話番号:03-6884-3100

(取材・文 石川祐介)

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