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[プレミアリーグWEST]トップ公式戦経験した名古屋U-18MF成瀬、周囲以上に走り、2得点に絡んで勝利導く

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名古屋グランパスU-18MF成瀬竣平は2得点に絡む活躍

[6.24 高円宮杯プレミアリーグWEST第6節 名古屋U-18 3-1 米子北高 トヨタスポーツセンター]

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2018 WESTは24日に第6節を行い、名古屋グランパスU-18(愛知)と米子北高(鳥取)が対戦。MF成瀬竣平(3年)の先制点を皮切りに3点を奪った名古屋が3-1で勝利した。

「(8番は)上手かったね。上(トップチーム)でやってるからと言って、奢るわけではなくて、より一生懸命やっている。他の子よりも走ってたイメージがあった」。敵将である米子北の中村真吾監督が成瀬に舌を巻いたのは、無理はない。自己評価は「チームとしてもっと点は獲れたと思うので、チームとして3点、個人として1点しか獲れなかったのは反省点だと思う」と低いが、献身的に動きながら要所で得点に絡んだインパクトは相手にとって強烈だった。

「前節のセレッソ戦で負けているので、みんな連敗を避けたいと思っていた。上位に食らいついていくには今日の勝利が大事になると一人ひとりが分かっていた」(成瀬)この日は立ち上がりから、ピッチを広く使ったボール回しから左の成瀬と、右のMF村上千歩(2年)に展開。二人のドリブルとSBの攻撃参加でサイドを仕掛けつつ、FW石田凌太郎(2年)への縦パスを交え、立ち上がりから米子北を押し込んだ。

 すると、前半25分には右サイドからのパスに、成瀬が左から中央へと走り込んで反応。「オフの動き出しから相手の逆をとることができた。受けた際もファーストタッチがうまくいったので、後は流し込むだけだった」とフリーの状態から冷静にゴールネットを揺らした。

「今年2回対戦して、パスで繋ぎながら2列目が飛び出してくるのは分かっていたけど、やられてしまった」と米子北のMF佐野海舟(3年)が悔んだように対策の上を行くプレー。これで試合を動かしてからは米子北の守りを崩し切れない場面が続いたが、「リーダーシップはチームの中で一番ある」と石田が評する統率力で成瀬はチームを上手くコントロールした。

 上手く行かない時間帯でも焦れずに攻撃を続けると、後半33分にはMF田邉光平(2年)のパスにPA左で反応。相手の寄せが遅れたため、自らがシュートまで行く選択肢もあったが、「自分でかわしてシュートまで行くイメージもあったけど、一本目でカットインした際に獲られていた。自分で行きたかったけど、(井上)亮雅がオーバーラップしていたので、そっちを使った方が良いと思った」とタメから外側を上がった井上へのパスを選択。井上からゴール前に入ったボールを村上が合わせて、米子北を引き離した。直後の35分にはMF原田海(2年)に1点を返されたが、終了間際には石田が3点目を奪い、3-1で勝利した。

 2点に絡む活躍を見せた成瀬は3月のルヴァンカップでトップチームデビュー。J1第4節、川崎F戦では途中出場でピッチに立ち、プロの世界を肌で感じているからこそ、古賀聡監督が求める基準も高い。この日のプレーについても、「仕掛けても崩し切れない場面が多かった。もっと突破できなければいけない選手。攻撃も守備も単発でしかなかった」と辛口の評価で、成瀬自身もプレーに満足していない。「トップチームとユースは、スピード感や一つひとつのプレーの質が大きく違う。トップチームでパスやトラップの違いを見せられたので、練習から止めて・蹴る・運ぶの部分を意識してやっている」。そう口にするように、上の世界を知ったことで以前よりも成長への意欲も格段に増している。今後、更に存在感が示すプレーが増えれば、自ずとチームの勝利もついてくるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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