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西野監督「責任は自分」 賛否呼んだパス回しで選手は決断支持

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ポーランド戦から一夜明け、練習で笑顔を見せる西野朗監督

 2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を決めた28日のポーランド戦(0-1)から一夜明けた29日、日本代表はベースキャンプ地のカザンで練習を行った。ポーランド戦の先発組と途中出場したMF長谷部誠、FW大迫勇也の計13人は午前中にリカバリーメニューをこなし、残り10人は午後に通常のトレーニングで汗を流した。

 初のベスト8進出を懸けた7月2日の決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦(ロストフ・ナ・ドヌ)に向け、チームはこの日、選手、スタッフ全員でミーティングを行った。通常のミーティングとは違い、監督やコーチングスタッフだけでなく、チームスタッフも参加。長谷部によると、「人数的には限られていたけど、チームスタッフもコーチングスタッフも選手もそれぞれ発言した」そうで、チームはあらためて結束を強めた。

 長谷部はキャプテンとして「この2か月、いろんなことがあった。監督が代わって、大会前はグループリーグ敗退という論調が多い中、こうしてベスト16の舞台に立てているのはチームを誇りに思う」という趣旨の言葉をチームメイトたちに送った。

 ミーティングではポーランド戦の振り返りも行われ、西野朗監督はさまざまな議論を呼んだ試合終盤の戦い方にも言及。「いろんな捉え方がある」と前置きしたうえで、「責任は自分にある」と選手の前で釈明したという。

 ポーランド戦の終盤、日本は0-1とリードを許している状況にも関わらず、時間を稼ぐようにゆっくりとパスを回し、ピッチ上の選手はスタンドから強烈なブーイングを浴びた。他会場でコロンビアがセネガルを1-0とリードしており、このまま0-1ならグループリーグ突破が決まるという状況だったためだが、もしもセネガルが同点に追いついていれば日本が敗退するという他会場の結果に委ねた采配は世界中で賛否を招いた。

 試合後はドーピング検査のため取材対応のなかったDF酒井宏樹はこの日の練習後、終盤のパス回しについて「当然だと思うし、普通のことだと思う」と指摘。「どの職業の人でも言えると思うけど、その道を極めようとした人なら、あの戦いが理解できると思う。本気だからこその戦術。僕らは一つになっていた」と理解を求めた。

 一方、ミーティングでの指揮官の言葉には「選手としてそういうチョイスを取らせてしまったことに責任を感じている。自分たちが2-0、1-0で勝っていればその必要はなかった。究極の決断をさせてしまったチームの責任を感じている」と西野監督を擁護し、1点ビハインドのまま終盤を迎えてしまった自分たちの戦いぶりを反省した。

 後半20分から途中出場していたMF乾貴士は「もっと時間が経ってからかなというのはあったけど、時間が早いか遅いかだけで、ベンチが早く決断してくれたから、選手は最後、意思統一してできた」と、ベンチの決断に感謝。長谷部も「さまざまな議論があると思うけど、代表チームとしては次に向かって進んでいる」と強調した。

(取材・文 西山紘平)

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