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「それは言い訳にならない」全4試合先発の柴崎岳、4年後への課題

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先制点をアシストしたMF柴崎岳

[7.2 ロシアW杯決勝トーナメント1回戦 日本2-3ベルギー ロストフ・ナ・ドヌ]

 自分自身の課題と真摯に向き合った。2-2の後半36分、MF山口蛍と交代でピッチをあとにした日本代表MF柴崎岳(ヘタフェ)は後半アディショナルタイムの失点をベンチで見つめていた。

 スコアレスで折り返した後半立ち上がりの3分、柴崎の絶妙なスルーパスにDFヤン・フェルトンヘンの足はわずかに届かず、MF原口元気に通った。PA内右に切れ込んだ原口は迷わず右足を振り抜き、先制点。その4分後にはMF乾貴士が右足ミドルで追加点を奪った。

「ハーフタイムでも士気は落ちていなかったし、後半は行けるという雰囲気も感じていた。相手の3バックの裏、ウイングバックの裏が空いているのは前半からあった。最初にそこを突けた。得点はいい形で取れたと思う」

 ところが、2-0としてからベルギーの怒涛の反撃を浴びた。後半24分、29分の連続失点はともにCKの流れから。「チーム全体として引いてしまった部分があった。相手の得意なペナルティーエリアの中に入られる回数が増えた。あれではいくら耐えてもいつかは崩れる」。ベルギーの圧力に耐え切れなかった。中盤の底に入る自分自身の責任も感じていた。「もう少し冷静にというか、やりようがあったのかなと」。そう悔しさをにじませた。

 全4試合に先発した背番号7に初戦のコロンビア戦(2-1)や第2戦のセネガル戦(2-2)のようなキレはなかった。中3日の連戦。「今日のパフォーマンスで言えば、納得できていない部分が多い。ボールロストも多かったし、体が重い感覚もあった」と認める。

「そこが課題」。そうハッキリと言った。W杯を勝ち上がっていくうえで、それは乗り越えていかなければならない。「連続して試合に出場させてもらっている中で、それは言い訳にならない。そういう状況でも自分のパフォーマンスを出さないといけない」。自分に厳しい目を向ける柴崎は「そこは課題」と、同じ言葉を繰り返した。「フィジカルコンディションの面で納得いく部分はなかった」。4年後、日本を今度こそベスト8へと導くために。26歳のMFは、課題という名の収穫を確かに手にした。

(取材・文 西山紘平)

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