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16強敗退から一夜…香川「代表を引退することはない」

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手を上げて応えるMF香川真司

 眠れない夜を過ごした。ベスト16敗退から一夜明けた3日、ベースキャンプ地のカザンに戻った日本代表MF香川真司(ドルトムント)は「これもサッカー。残酷な部分だけど、それを含めて僕たちは負けた。そう言い聞かせている」と、悪夢の逆転負けを喫したベルギー戦をあらためて振り返った。

 この大会だけに懸けてきた。14年ブラジルW杯初戦のコートジボワール戦(1-2)。「コートジボワール戦は前半の45分で足をつっていた。それは忘れもしない」。逆転負けを喫した一戦をきっかけに自分自身と向き合い、私生活からトレーニングまですべてを見つめ直し、あらゆることを犠牲にしてロシアW杯までの4年間を過ごしてきた。

「自分のコンディション不足、実力。あれが自分の中のベースにある。あの試合があったから、あんなことは繰り返せないという思いでやってきた」。ベルギー戦の走行距離は両チーム通じてトップの12.047km。4年間の努力が数字として表れた一つの結果でもあった。

 ベルギー戦後は22年カタールW杯への思いを聞かれ、「次は分からないですね」と明言を避けた。その真意についても、あらためて言及した。「ブラジルW杯のときは、仮に負けたとしても、どこかでロシアがあると。そういう思いがどうしてもどこかに出ていた」。そう率直に認め、「そういう状況をなくすために、4年後のことは考えたくない。常にこれが最後なんだと。その覚悟で取り組んできた」と強調した。

 そのうえで現在の心境については「昨日、ああいう結末を迎えて、今すぐ答えは分からない。気持ち、体を休めて、整理していきたい」と吐露。それでも「代表を引退することはないと思う」と、代表引退は頭にない。今は4年間のすべてを懸けて挑んだ大会が終わったばかり。再び4年後を目指す決意と覚悟を固めるには、しばしの休養と時間も必要だ。

(取材・文 西山紘平)

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