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長谷部の代表引退に川島「友達として『そんなこと言うなよ』と言いたかった」

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報道陣のカメラに向かって手を振るGK川島永嗣

 この8年間、守護神とキャプテンという立場で日本代表を支え、引っ張ってきた。10年南アフリカW杯直前に正GKに抜擢されたGK川島永嗣(メス)と、同じタイミングでゲームキャプテンに指名されたMF長谷部誠(フランクフルト)。35歳の守護神は、ロシアW杯を最後に代表からの引退を表明した1歳年下の長谷部について「彼からそう考えているというのは個人的に話してくれた」と明かした。

 代表引退を告白されたとき、川島は思わず言葉に詰まった。「正直、何を自分が言えるのかなって、逆に自分が考えてしまった」。だれよりも長谷部が抱える悩み、重圧は分かっているつもりだった。

「あいつがキャプテンとして悩んで、いろんなことを考えている姿をずっと隣で見てきた。日本代表のキャプテンとしてこれだけ長い時間やるのは相当な重圧があったと思う」

 だからこそ「ねぎらいたい気持ちもあった」が、その一方で「一人のサッカー選手として、友人として、区切りなんて付ける必要ないんじゃないか。友達として『そんなこと言うなよ』と言いたかった」と、慰留したい思いもあった。

 しかし、それを口に出すことはできなかった。「それを言ったところで、彼の中では区切りが付いていただろうし、黙って聞いていた」。8年間、だれもうかがい知ることのできない重圧と闘ってきた後輩の決断を尊重し、その思いをくみ取ることしかできなかった。

「やりたいことじゃなくてもやらないといけないことが多々あったと思う。長谷部誠としてやりたいことでなくても、日本代表のキャプテンとしてやらないといけない。それを受け入れてやってこれたのが彼の人間性。人として尊敬している」

 川島自身は4年後のカタールW杯のことをどう考えているのか。「日本代表にいるためには自分がそれにふさわしい選手でいないといけないし、4年間いろんなものを犠牲にして目指すもの。いろんなエネルギーを持って4年間やっていかないといけない」。4年後は39歳。GKとしては不可能な年齢ではないが、「今、4年後に自分がどうしているかは考えられない。少しゆっくりして、今後のことも考えたい」と話すにとどめた。

(取材・文 西山紘平)

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