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[MOM537]大阪体育大MF末吉塁(4年)_決勝アシストの10番、“ゲームを決められる選手”へ

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大阪体育大MF末吉塁(4年=初芝橋本高)

[7.1 第47回関西学生サッカー選手権大会・準々決勝 京都産業大0-1大阪体育大 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場]

 勝てば総理大臣杯出場権獲得となる関西学生サッカー選手権準々決勝。右サイドをドリブルで駆け上がった大阪体育大MF末吉塁(4年=初芝橋本高)が、逆サイドへパス。これを走りこんできたMF西田恵(3年=関西大北陽高)が決めて先制する。大体大はこの1点を守り切り、粘る京都産業大を振り切って9年連続24回目の総理大臣杯杯出場を決めた。

 アシストとなった場面を「自分の武器はスピードなので、突破して簡単にゴール前に上げられたらいけると思っていた。逆サイドからしっかりメグ(西田恵)が入ってきていて、決めてくれた」と本人が振り返ったとおり、末吉の持ち味となる速さが勝負どころで生きた。

 この日は京産大の迫力あるプレーの前に攻守ともに苦しめられた。カウンターで京産大FW久保吏久斗(4年=C大阪U-18)に独走を許し、末吉が追いついて決定機をぎりぎりで防ぐ場面も見られた。「守備でもストロングポイントを生かして貢献したい」と末吉は言うが、松尾元太監督は「末吉は守備でよく走っていたが、攻撃の選手なんだから攻撃でもっと良さを出してほしい」と辛口のコメントを口にする。というのも、「背番号10は『ゲームを決められる選手』という意味を込めての10番」という監督からの期待があるからだ。末吉も「自分が強引に仕掛けて行くところと、周りを見て使うところをもっと考えないといけない。ひとりだけでやろうとしてもチャンスは作れないし、相手が強くなれば厳しくなってしまう」と課題を理解し、向上に取り組む。

 去年の関西選手権は準決勝においてPK戦で敗れ、決勝へは進めなかった。今年は松尾体制での初タイトルを狙う。「元太さんは自分たちの意見を取り入れてくれて、一緒にチームを作っているという気持ちが大きい。それだけに主将をはじめとした4回生が責任を持ってやることが大切になる。1回生からゲームに出ている選手でもっと引っ張りたい」とチームの主力としての自負もある。「声で引っ張るタイプではないので、プレーで引っ張りたい」と気合を込めて話す大体大のエース・末吉が、勝利への道筋を示し、チームを関西王者へと導く。

(取材・文 蟹江恭代)
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