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PK制したクロアチア守護神、ユニフォームに隠した“亡き友”への思い

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ユニフォームを脱ぎ、亡き友の姿を見せたGKダニエル・スバシッチ

 ロシアW杯決勝トーナメント1回戦で3本のPKをストップし、クロアチア代表を20年ぶりの8強に導いたGKダニエル・スバシッチは試合後、ユニフォームの下に着ていたノースリーブシャツをアピールした。その胸には10年前、試合中に起きた不慮の事故で亡くなった元チームメートの遺影が描かれていた。

 1日に行われた決勝トーナメント1回戦、クロアチア対デンマークの一戦は互いに譲らずPK戦に持ち込まれた。GKカスパー・シュマイケルとの両守護神が止め合う展開となったが、軍配が上がったのは3本をストップしたスバシッチだった。歓喜に沸く守護神はすぐさま、ユニフォームの下に着ていたノースリーブシャツを見せつけた。

 そこに描かれていたのは、故フルボイエ・チュスティッチの写真。周りには「フォーエバー(永遠に)」「24」というプリントが施されている。複数メディアによると、同選手はクロアチアリーグのNKザダルでスバシッチとチームメートだったが、2008年、試合中にピッチ脇に設置されていたコンクリートの壁に激突し、24歳の若さで命を落としていた。

 あれから10年。33歳になったスバシッチは4日、準々決勝のロシア戦を控えた記者会見の場に登場した。PK戦を止めてヒーローになった同選手に質問が相次いだが、チュスティッチの話題が投げかけられると平静は保てず。「彼に何が起きたのか知っているはずだ。さらなる説明は必要ないだろう……」。うつむいて涙を流し、そう語っていた。

 デンマーク戦の試合後、ユニフォームを脱いだスバシッチはしばらく天を見つめるような仕草を見せていた。その目の先には何があったのか。自身のPKストップを「幸運だった」と振り返った守護神は7日、母国が初出場で3位入賞を成し遂げた1998年以来の準々決勝に臨む。

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