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終わりを迎えた“史上最弱”の快進撃…開催国ロシア散る

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ベスト8で姿を消すことになったロシア代表

[7.7 ロシアW杯準々決勝 ロシア2-2(PK戦3-4)クロアチア ソチ]

 後攻で5人目のキッカーとなったクロアチア代表MFイバン・ラキティッチのシュートがゴールネットを揺らす。この瞬間、自国開催となったロシア代表の2018年W杯の旅は終わりを迎えた――。

 開催国でありながらも、ロシアの前評判は決して高くなかった。W杯直前に発表された。FIFAランクでは出場32か国中最下位となる70位。FIFAランキングの発表が始まった93年以降、ホスト国が出場国中最下位で大会に臨むのは初となり、“史上最弱のホスト国”とのレッテルを貼られてしまう。W杯イヤーに入っても結果がついてこず、3月に対戦した優勝候補のブラジル、フランスにはともに3失点を喫しての完敗。大会直前にはW杯不出場のオーストリア、トルコと対戦したものの1分1敗の結果に終わり、18年の白星がないまま本大会を迎えた。

 だが、本大会に入ると、汚名返上となるような快進撃を続けた。開幕戦となったサウジアラビア戦で5-0の大勝を収めて白星スタートを切ると、続く試合でエジプトを3-1で下して早々とグループリーグ突破を決める。グループリーグ最終戦のウルグアイ戦こそ0-3で落としたものの、決勝トーナメント1回戦では優勝候補の一角であるスペインをPK戦の末に下し、70年大会以来、48年ぶりのベスト8進出を果たした。

 そして66年大会以来、52年ぶりのベスト4進出を賭けた準々決勝クロアチア戦でも地元サポーターを沸かせる。前半31分、FWアルテム・ジューバとのワンツーで前線に上がったMFデニス・チェリシェフの鮮やかなミドルシュートで先制に成功。同39分にクロアチアに追い付かれ、延長前半11分には逆転ゴールを許したものの、延長後半10分にMFアラン・ジャゴエフのCKをDFマリオ・フェルナンデスがヘディングで叩き込み、試合を振り出しに戻した。だが、粘りを見せたもののPK戦を3-4で落とし、準決勝に駒を進めることはできなかった。

 PK戦の末にベスト8で姿を消すこととなり、“史上最弱”の快進撃を後押しし続けたサポーターの中には涙を流す人、呆然と立ち尽くす人の姿も目立ったが、惜しみない拍手が贈られたことが今大会のロシアが「いい意味」で期待を裏切ったことを十分に証明していた。

(取材・文 折戸岳彦)

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