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中田英寿氏ら元日本代表戦士の観戦も実らず。SO日本代表は準決勝進出を逃す

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元日本代表の山口素弘氏(左から2人目)が見守る中、日本代表選手は奮闘

「2018年スペシャルオリンピックスユニファイドフットボールカップ・シカゴpresented by TOYOTA」に出場中のSO(スペシャルオリンピックス)日本代表が現地時間19日、グループステージ第3戦でSOナイジェリア代表と対戦し、0-3で敗れた。1分2敗でグループリーグ敗退が決まった。

 観客席にはSO国際本部のグローバルアンバサダーをつとめる元日本代表の中田英寿氏や、同氏とともに1998年フランスW杯に出場した山口素弘氏(名古屋グランパスアカデミーダイレクター)といった元日本代表戦士も見守る中、SO日本代表は試合開始直後からナイジェリア代表に主導権を握られた。ペナルティエリアでボールを回され、先制点を許すと、その後さらに2点を失った。SO日本代表はパートナーの峰島和哉選手が中央でボールをキープし、再三サイドへボールを供給するなどしてナイジェリアの守備網を揺さぶったが、堅い守備を崩しきることはできなかった。

 ゴールを期待されたアスリートのFW伊藤聖矢選手は「相手は体も大きく、その迫力は今までも感じたこともなく尻込みしてしまう場面もありました。それでも全力は出し切ったので悔いはありません」と顔をあげた。普段は福島トヨペットに勤務するパートナーのDF橋本亮汰選手は「相手がとにかく強かった。速くて、上手くて、強い。個人的には1試合目と2試合目に比べ、最後のナイジェリア戦ではすべてを出し切りました」。

 合宿で選手たちを直接指導し、3試合を視察した山口氏は「海外の選手と戦う機会自体が少ない中、最初は戸惑いもあったと思う。それでも、試合を通じて慣れてきたのか、怯むことなくプレーが出来ていた部分もあった。今回の経験は選手にとっては大きい。ぜひ今後に人生に活かしてほしい」とエールを送った。
 
 ユニファイドサッカーとは知的障害のある「アスリート」と知的障害のない「パートナー」が同じチームでプレーするスペシャルオリンピックスの取りくみ。今大会はユニファイドサッカーの国際大会の記念すべき第1回だった。山口氏はこう続ける。

 「ユニファイドスポーツという取り組みは良いアイデアだと思う。うわべの付き合いで終わることなく、勝ちたいという気持ちで真剣に取り組む中、生まれるものがあると思う」

 歴史的初勝利はお預けのまま今大会のSO日本代表の活動は終わったが、スポーツを通じて障害のある人とない人が交流し、お互いの「違い」を迎え入れ、心の垣根をなくしていく活動は、これからも続いていく。


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