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[MOM2563]C大阪U-18MF近藤蔵波(1年)_「とっさに思いついた」ループで決勝弾! ポスト“日韓W杯”のテクニシャン

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決勝点を決めたセレッソ大阪U-18のMF近藤蔵波(1年)

[7.26 日本クラブユース選手権U-18大会決勝T1回戦 大分U-18 0-2 C大阪U-18 富士見総合]

「イメージどおりのゴールでした。GKの上だったら空いてると思ったんで」。しぶとく守っていた大分U-18の守備をこじ開けたのは、指揮官が期待を寄せるルーキーの感覚的なループシュートだった。ゴールの姿は一瞬しか捉えていなかったが、右足で優しく放たれたボールはふわりと右隅に吸い込まれていった。

 セレッソ大阪U-18のMF近藤蔵波(1年)は2002年7月に生まれた16歳で、今年に入ってからはU-16日本代表にも選ばれている“日の丸”有望株。巧みなボールタッチと相手を背負っていても揺るがない独特のリズムは、すでに高校年代でも通用するレベルにありそうだ。

「身体は小さいけれど、ダイナミックなプレーもできる。スプリントでゴール前に飛び出していったりもでるからなかなか捕まらない選手」と評したのはC大阪U-18の村田一弘監督。「ステップアップの良い機会にしてほしい」と成長は求めるが、「面白い選手になってくれれば」と期待は隠さない。

 そんな技術あふれるアタッカーが夏の大舞台で輝きを放った。左サイドハーフで先発した近藤は序盤から敵陣深くでの“起点役”を遂行。「相手が寄せて来なかったら運ぶし、相手が来るなら味方を使うようにしている」。左サイドバックのDF下川太陽(2年)とともに攻撃で脅威となっていた。

 また、内容だけでなく結果が付いてきた。「最近はプレミアリーグでもゴールを取れていなくて、前半も決められなかった。チャンスがあれば狙いに行こうと思っていたけど、あそこではとっさにシュートを思いついた」。それはスコアレスで迎えた後半8分の場面だった。

 藤尾からのパスを左サイドで受けた近藤は、すぐさま大分守備陣に囲い込まれ、ゴールへの道筋をふさがれた。だが、ゴールに背を向けたような状態から振り向きざまに右足を一閃。うまくすくい上げたボールはゴール右上へと飛び、意表を突かれたGKは両手を上げることしかできなかった。

「イメージどおりでした」とはにかんだ16歳だが、「自分がチームを勝たせられるくらいの気持ちで優勝に向かいたい」といたって冷静。「ドリブルも、パスも、シュートも、全部できる選手になりたい」と成長意欲は尽きない。高校生活が始まってまだ3か月ほど。「自分でも気に入ってる」という“クラバ”の名はこれからますます広がっていきそうだ。

(取材・文 竹内達也)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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