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「福島復旧・復興祈念ユース大会」惜敗の神村学園「もっとチャレンジしないと全国で上に行けない」

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後半18分、神村学園高はMF深港壮一郎が同点ゴール

[7.28 福島復旧・復興祈念大会 尚志高 2-1 神村学園高 西部サッカー場]
 
 神村学園高の選手たちは1-2で競り負けた尚志高戦後、ピッチサイドで有村圭一郎監督の厳しい言葉を受け入れていた。鹿児島から大阪までフェリー、その後バスで北上し、前日に福島入り。指揮官は選手たちが「トライしよう」「のし上がってやろう」という気持ちを持って「福島復旧・復興祈念ユースサッカー大会」に臨むことを期待していたが、鹿児島、九州で見られるアグレッシブな姿勢をほとんど発揮できないまま敗れた。

 夏冬連続で全国大会に出場した昨年にも劣らないほど技術力は高い。だが、前線で身体を張ったボールキープ、仕掛けを見せていたFW濱屋悠哉(2年)を除くと、全体的にチャンレンジする姿勢を欠いていた。

 ボランチの位置から左足の素晴らしい展開を見せていたMF深港壮一郎主将(3年)も「(トライする姿勢が)足りないのは事実。もっとチャレンジしないと全国で上に行けない。失点にビビらずにやれることをやっていかないといけない」と改善することを誓っていた。

 突破力の秀でた選手を両翼に配置し、SBが高い位置で攻撃をサポート。不用意に奪われるとピンチを招くため、慎重に攻めていたが、トライしなければ相手の守りを崩すことはできない。

 尚志のスピード、精度あるコンビネーションに打開され、シュートを打ち込まれた。GK坂ノ下陸(3年)のファインセーブなどもあってスコアは1点差。だが、有村監督は「(尚志との)その差は歴然だよ。相手が外してくれただけ」と内容に開きがあったことを指摘していた。

 鹿児島県予選のスイーパーから、ボランチにポジションを上げた注目MF深港は「もっと攻撃的に、相手の驚異になるためにはゴールを獲りに行かないといけない」とより、攻撃的なプレーを心掛けていく構え。そして、「リスク背負ってどんどんチャレンジして全国で勝つためのトライをしていきたい。(インターハイでは)去年2回戦で負けているのでそこを越す。ベスト4までしっかり勝ち上がって、最後(日本一を)狙って、神村のサッカーで勝ちたい」と意気込んだ。

 鹿児島実高時代に選手権決勝で2得点を決め、当時チームメートだった有村監督とともに選手権初優勝を成し遂げている栢野裕一コーチ(前鳳凰高)が新たに就任。勝者のメンタリティーを持つコーチからも学ぶ鹿児島の雄が、トライする姿勢を持って残りの「福島復旧・復興祈念ユース大会」、そして、“本番”のインターハイを戦う。

(取材・文 吉田太郎)

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