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[福島復旧・復興祈念ユース大会]準備順調。インハイの“ダークホース”明秀日立が5-0勝利

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{{c|明秀日立高}は復帰組のMF及川央泰がチャンスメークするなど5得点

[7.29 福島復旧・復興祈念大会 明秀日立高 5-0 共愛学園高 西部サッカー場サブ]

 29日、震災からの復旧・復興を祈念し、また福島県サッカーの発展と全国各地から参加する強豪校の強化を目指す「2018 第7回 福島復旧・復興祈念ユースサッカー大会」2日目が行われ、インターハイ出場校の明秀日立高(茨城)が共愛学園高(群馬)に5-0で快勝した。

 インターハイの“ダークホース”明秀日立が目標の日本一へ順調な仕上がりを見せてきている。この日はインターハイ群馬県予選4回戦でプリンスリーグ関東勢の桐生一高と4-6の壮絶な撃ち合いを演じている共愛学園と対戦。明秀日立は4分に細かいパス交換からMF川上璃久(3年)が右足ミドルを突き刺して先制点を奪う。

 明秀日立は萬場努監督が「(ケガから)戻ってきたのは大きい」と語るMF及川央泰(3年)や川上が余裕のあるボールキープから、スペースへ鋭く持ち出してフィニッシュのシーンを作ろうとしていた。ただし、チャレンジするパスが多い分、攻め返されるシーンも。序盤はやや守備のバランスが悪かった明秀日立に対し、共愛学園は奪ったボールを素早く、正確に繋いで中盤を突破する。そして、センスある動きを見せていたMF久保田優羽(3年)や俊足MF清水琉佑(3年)がPAへの仕掛けにまで持ち込んでいた。

 ただし、明秀日立は22分、相手DFラインのビルドアップに対して前線からプレッシャーをかけると、バックパスを狙っていたFW津村夢人(3年)がGKの目前で足を投げ出してゴール。この後もスルーパスやセットプレーからシュートシーンを作り出した。

 共愛学園は34分にショートカウンターでチャンス。久保田のスルーパスからFW佐藤喬太(3年)が惜しいシーンを迎え、後半も久保田や佐藤をはじめ、MF福田航矢(3年)、MF矢島拳大(3年)がボールに多く絡んでアタックしていた。だが、明秀日立は注目CB高嶋修也主将(3年)や安定感光るGK木村謙一(3年)がシュートを打たせない。

 そして後半13分、明秀日立は川上の左CKから、勢いを持って中央のDF前に入り込んだ高嶋が豪快に3点目のゴール。14分には及川の好パスから左サイドを突いた交代出場MF藤原理玖(3年)が右足ミドルをニア上へ突き刺す。そして28分にも交代出場のMF大山晟那(2年)が豪快な左足ミドルを叩き込んで5-0。奈良章弘監督が攻守におけるゴール前の部分の甘さを指摘していた共愛学園はCKから決定的なシーンも作ったが、藤原にゴールライン上でクリアされて得点することができなかった。

 明秀日立は5-0で快勝。前日はプリンスリーグ北信越で2位の帝京長岡高(新潟)相手に前半だけで4ゴールを奪って快勝している。後半はドリブル、ショートパスを主体に攻めてくる相手に2失点。それでも、相手に応じた守り方を確認、修正したチームはこの日、高嶋やMF成島茉宏(3年)がバランスを取りながら要所を締め、無失点で試合を終えた。

 昨年度の選手権で初の全国8強まで勝ち上がった明秀日立は今夏、さらに歴史を変える意気込みだ。3連戦のあと、1日の中日を挟んで決勝まで3連戦を戦うインターハイを想定して練習試合を組むなど準備。萬場監督は「(選手たちも)6試合戦うイメージはしていると思う」と語り、津村は「日本一を狙うための準備はしてきた」と口にする。

 そして高嶋は「インターハイが近づくにつれてコンディション上がったり、良い準備ができている。勝ちをもぎ取るようにしたい」とコメント。昨年からの経験者が多く、17名の選手層は厚い。8月7日開幕のインターハイはプレミアリーグ勢中心の優勝争いが予想されるが、茨城の新鋭が食い込む可能性は十分。ここから細かな課題を修正し、もう一段階コンディションを上げて、本気で日本一を獲りに行く。

(取材・文 吉田太郎)

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