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宿敵突破して6年ぶりの全国。「京都に東山あり」を示す夏に

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全国での躍進を狙う東山高

「京都に東山あり」、を示す夏にする。平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ)が8月7日から三重県内で開催される。京都府は京都橘高の3連覇を阻止した東山高が6年ぶりとなる全国出場。前評判高い尚志高(福島)と福井商高(福井)との勝者と初戦(2回戦)を戦うチームの目標は、日本一だ。

 福重良一監督は今年のチームについて「日々成長している。新人戦、大垣選抜、そしてインターハイと結果を出している」と説明する。入学当初、個々の力は昨年や一昨年に比べて、高く評価されていた訳ではない。それでも、各選手が地道にレベルアップし、組織として力を高めた東山は今年、新人戦とインターハイ予選決勝でライバルの京都橘を撃破。昨年の全国8強を破った自信を持ってインターハイに臨む。

 関西屈指のエースFW久乘聖亜(3年)や注目ボランチのMF倉貫直人主将(3年)の存在がクローズアップされるが、「自分の中で手応えがあったので、その中で決勝戦行って点決められる予感がしていた」という通りに京都府予選計6ゴール、決勝で先制点も決めたFW長坂大陸(3年)や守備の柱・井上竜稀(3年)、知性派のGK荒木光汰(3年)ら攻守に力のある選手たちがいる。

 予選終了後はやや調子を落としていたが、福重監督が「崩れすぎずに自分たちで持ち直している」という力も今年のチームの特長だ。試合で上手く行かなくても自分たちで立て直すことができる。京都府予選準決勝では終盤に追いつかれてすぐに勝ち越して勝利した。ポゼッション、速攻を巧みに使い分けた攻撃や修正力、勝負強さを備える東山が、インターハイにピークを持っていければ、躍進する可能性は十分にある。

「チームが一つになって組織力があるので、そういうところを十分に発揮できたら勝つ自信は全然ありますし、優勝もしっかり狙えると思っています」と倉貫。6年ぶりの全国出場ということで初出場と同じ感覚だが、ライバル・京都橘を意識する選手たちはプライドを持って全国で戦おうとしている。

 GK荒木は「やるからには日本一を目指したいですし、負けてしまって『やっぱり橘の方が良かった』とか、そういう風には言われたくないし、『東山、やっぱり勝つんやな』ということをみんなに見せたいですね」と力を込め、井上も「橘がベスト8行って、自分たちもそれ以上の結果を残さないといけないし、初戦で負けたら『橘しか無理なんだな』と思われると思う。最低でも橘越して、『京都は東山だ』と示したいです」と言い切った。

 近年、ライバルが全国舞台で見せてきた活躍を良い意味で刺激に、それを超える夏にする。エース・久乘は「自分にとっても、東山にとっても全国に名を轟かせるチャンスだと思っているので、無駄にせず、自分としても、東山としても全国にアピールする大会にしたいです」。OB・鎌田大地が1年時に出場して以来となる全国。今夏のインターハイで勝ち上がり、「京都と言えば、東山」という評価を得る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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