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ロシアでの刺激をJのピッチで…東京Vの高卒ルーキー藤本寛也「感じるものがあった」

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東京ヴェルディの先発に定着しているFW藤本寛也

[8.4 J2第27節 東京V 2-1 大宮 味スタ]

 ユースから昇格して1年目、期待の高卒ルーキーがJ1昇格を目指すクラブの主力に君臨している。東京ヴェルディFW藤本寛也(19)はすでにリーグ戦16試合目の出場。今夏はU-19日本代表としてロシアW杯にも帯同し、「実際に見て感じるものがあった」と自身のプレーに良い影響を及ぼしているようだ。

「気持ちとしてはもっと良いプレーをして、相手が嫌がるプレーをしないとあの舞台には立てないと思った。プレーに変化はないかもしれないけど、そういうことは考えている。Jリーグの試合でも、守備ではガツガツいかないといけないし、攻撃ではもっとタメをつくって、パス、ドリブル、シュートを打たないといけない」。

 同世代の仲間であり、ライバルたちと向かったロシアの地。大舞台に挑んでいったA代表と共にトレーニングした経験、そして世界のトップ選手が真剣勝負を繰り広げる試合を間近で観たという経験は、19歳の誕生日を間近に控えていた若武者にたしかな刺激を与えたようだ。

 そんな心持ちはJリーグのピッチでも見せている。J2第27節の大宮戦では右ウイングのポジションで先発。ユースの一学年先輩であるMF渡辺皓太とのコンビに人数をかけたプレスが襲ったが、的確なボールタッチと的を絞らせない身のこなしで相手をかわし、前半12分には2人の連携が先制点の起点となった。

「最初からああいった関係の崩しができているし、2人で考えて合っている感じで、お互いどこに走ってどこにボールが欲しいをわかり合っている。(渡辺は)相手DFがカバーに行けないくらいの速さで抜け出してくれた」。そんな信頼の“ホットライン”で細かいスペースを見事に突破し、「いつもどおりのプレーです」と胸を張った。

 また前半22分には、FWアラン・ピニェイロも交えた攻撃から渡辺の浮き球スルーパスに反応し、ゴール前に抜け出していく場面もあった。「皓太くんからボールが来るのは分かっていた。アクションを起こせば見てくれるので、臨機応変に動けた」。最後のシュートは空振りに終わったが、日頃からの練度を感じさせる質の高い崩しだった。

 1年目のシーズンでこれほどの出番を与えられ、さぞ手応えを感じていることだろうと思われたが、「もっとゴール前に関わっていきたいし、もっとできたかなと思う」と満足した様子は見せず。なぜなら、自らの基準となる“あの舞台”を体感したからだ。4年後のカタール大会に向けて「もっと質と量を追求していかないといけない」と成長を止めるつもりはない。

(取材・文 竹内達也)
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