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過酷な暑さの中での連戦、好調MF交代の日ノ本学園は連覇届かず

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日ノ本学園高は連覇届かず。MF久永望生(左)は今大会で成長した一人(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.5 総体女子決勝 日ノ本学園高 0-3 常盤木学園高 藤枝総合]

 日ノ本学園高はこれまで実施された6回のインターハイのうち、5大会で優勝。“夏の女王”は今大会の決勝でも十分に強さを見せていた。

 今大会好調のMF久永望生(3年)がストライドの大きなドリブルからシュートを放ち、MF山田瑞穂(1年)やFW山下寧(1年)が正確な1タッチパスで攻撃にリズムを生む。MF嶋田華(1年)がセカンドボールを拾って連続攻撃する日ノ本学園は、MF上田佳奈(2年)が個人技で相手のマークを外してチャンスを作り出した。

 だが、前半終了間際に一瞬の隙を突かれて失点し、追いかける展開となった。ここで田邊友恵監督はベストコンディションではないながらもチームに推進力をもたらしていた久永交代の決断をする。最も暑い時間帯を避け、午前10時のキックオフとなっているとは言え、準決勝は気温35.2度でこの日も33.4度の酷暑。日陰でも暑さを感じるような環境下での連戦から、選手を「守る」ことを優先した。

 もちろん、全員で白星を勝ち取るつもりだった。今大会成長したという久永に負けないプレーで得点を奪い返し、連覇を達成するつもりだった。左SB川名みのり主将(3年)も「(リードされたが)『まだ行けるよ、行けるよ』と言って気持ちは切れていなかった」と振り返る。だが、今大会初めて奪われたリードがチームに焦りを生んでしまう。

 後半も得点機はあったが、それを活かせず。単調な攻撃となったチームは前がかりになった裏のスペースを突かれるなど2失点を喫して0-3で敗れた。田邊監督は1、2年生たちの奮闘を評価しつつも、「個人の力強さを身に着けないといけない」とコメント。冬の全日本高校女子選手権での日本一をスタンドの父母たちに誓った川名は「ゴール前まで行って少ないチャンスで決めきれる決定力と、最後滑ってもやらせない守備と気持ちももっといると思います」と課題を改善し、勝ち切る強さを身につけることを誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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