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残留圏争いは混とん。最下位・名古屋がジョーのハットトリックで16位のG大阪に逆転勝ち

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ハットトリックを記録したジョー

[8.5 J1第20節 名古屋3-2G大阪 豊田ス]

 J1は5日に第20節を開催し、豊田スタジアムでは前節の仙台戦で3月3日の磐田戦以来、約5か月ぶりの勝利をあげた最下位・名古屋グランパスと5月2日の仙台戦以来、7試合勝ち星から遠ざかっている16位のガンバ大阪が対戦。名古屋が前半で2点を先行される苦しい展開だったが、FWジョーのハットトリックで3―2と逆転勝ちをおさめた。

 G大阪はリーグ戦の折り返しとなる17試合を終えた時点で、4勝3分け10敗で16位に沈む低迷打破のため、7月23日にクルピ前監督を解任。U-23を指揮していた元日本代表の「レジェンド」宮本恒靖氏を監督に迎えて名古屋戦が3戦目だった。宮本新監督になって2試合はともにドロー。宮本監督がU23で手塩にかけて育て、自らの監督昇格とともにトップチームに抜擢したMF高宇洋が最初のビッグチャンスを作った。前半4分過ぎ、敵陣に少し入った中盤付近で相手ボールを奪い、即座にMF藤本淳吾にパス。ダイレクトパスで右サイドを駆け上がったFWファン・ウィジョに渡り、センターを駆け上がってペナルティエリアに一気に侵入したFWアデミウソンにパスを出したが、滑り込んだアデミウソンの右足のわずか先にボールが通過し、ボールに触れず。絶好の先制機を逃した。

 その後は名古屋のペース。前半12分のFW前田直輝の左足シュート、13分には前節仙台戦でリーグ戦通算350試合出場を果たした38歳のベテラン、MF玉田圭司の左足シュートが、わずかに右にそれる。さらに同15分には右サイドからFWガブリエル・シャビエルの左足のクロスに、絶好のタイミングで入ってきたFWジョーが左足をあわせるも、わずかにゴールマウスをとらえられず。先制機を逃した。

 試合が動いたのは前半19分。中央突破したMF藤本が名古屋DF金井貢史の股を抜き、一気にペナルティエリアに侵入。慌てて戻った名古屋MF玉田のスライディングに藤本が倒れ、PKの判定が下される。同22分、FWアデミウソンが右隅に決め、アウェーで貴重な先制点を奪った。

 その後は27分過ぎに攻守の要、MF遠藤保仁がパスを縦パスを奪われたり、同34分にはMF高のパスミスでピンチを招き、自陣にいる時間が長かったが、36分すぎに苦しい状況から2点目を奪った。相手陣やや左サイドにいたMF遠藤が、左サイドのゴールラインに向かって猛ダッシュしたDFオ・ジェソクにパス。オ・ジェソクは、中央にいたFWファン・ウィジョの背後から猛然と走りこんだ藤本へクロスパスを出す。藤本がダイレクトで左足であわせ、貴重な追加点をあげた。

 ハーフタイムでMF玉田にかえてDF和泉竜司、MF八反田康平にかえてMF秋山陽介を投入して反撃をこころみた名古屋は後半13分すぎに絶好機をつかむ。味方選手の浮き球に反応して相手ペナルティエリアに侵入したFWジョーが、G大阪のDFファビオに腕をつかまれて倒された、という判定でPKを奪う。後半15分に、ジョーが左足で落ち着いて決めて1-2と1点差に迫った。

 さらに名古屋は疲れの見えたG大阪に猛攻を仕掛ける。後半34分、途中交代の和泉が左サイドで起点となり、ゴールラインに走りこんだFW前田にパス。マークが甘くなったG大阪DFファビオを抜いて、中央に走りこんだジョーにパスし、ジョーが同点弾。さらに後半39分、右サイドから出されたロングパスに、ジョーが頭であわせ、ガブリエル・シャビエルにパス。ガブリエル・シャビエルが相手DFを引き連れて頭でパス。一度は倒れていたジョーが立ち上がってそのパスに鋭く反応し、右足を振りぬいて逆転となるハットトリックを達成。最下位の名古屋は仙台戦につぐ連勝で勝ち点を16に伸ばし、16位だったG大阪に勝ち点1差に迫った。

 就任3試合目で初勝利をもぎとりたかったG大阪・宮本恒靖監督は1点差に迫られた後の後半19分にMF倉田秋にかえて、7月31日にJ2山口から加入したばかりのMF小野瀬康介を投入。1点を守るのではなく、3点目をとりにいく積極策が結果的に裏目に出て、采配3戦目で初黒星。降格圏から抜け出すことができなかった。

(取材・文 林健太郎)
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