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元ブラジル代表の名古屋・ジョーが来日後初のハットトリックでG大阪に逆転勝ち

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ジョー(中央)は倒れても素早く立ち上がって貪欲にゴールを狙った

[8.5 J1第20節 名古屋3-2G大阪 豊田ス]

 エースが、真夏にゴール量産の「花火」を打ち上げた。2014年W杯にも出場した名古屋グランパスの元ブラジル代表FWジョーが、前半だけで2点リードを許す苦境を意地のハットトリックでひっくり返し、連勝を飾った。

「3点とれたことはよかった。先に2点とられて難しい試合になったが、前半も悪くなかった。後半はアグレッシブさがキーになりました。後半開始から自分たちからプレッシャーをかけた。相手が自信をなくしたように見えて、そこを利用して3点に結びつけた。ハットトリックはいつ以来かって? 昨シーズン、(ブラジルの)コリンチャンスのときはやっていないから(2016年に)中国(江蘇蘇寧)にいたとき以来じゃないかな」

 今季加入後、初となるリーグ戦2試合連続ゴールで10得点にのせ、王国のストライカーの本領発揮だ。

 今年の日本列島は猛暑の話題がつきない。名古屋は3日に最高気温40.3度を記録し、その後もスタジアムや練習場がある豊田市では37~39度の日が続く。昼間は立っているだけで立ちくらみがするような猛暑だ。あるチーム関係者はこう耳打ちする。

「ウチはもともと練習場にナイター照明がないので、今、この暑さの中でも午前10時か、午後4時に練習を開始します。(2008~2013年に率いた)ストイコビッチ監督の時代もとても暑い夏がありましたが、その時でさえ練習開始は午後5時でした。だから、今はほかのチームと比較してもこの猛暑に免疫がある。後半になっても相手よりバテないし、気持ちに余裕があるんだと思います。ジョーも来日してチームに合流したとき、体はちょっと太めでしたが、この暑さと練習でぐっと絞れてきて、キレも出てきている」

 この日はナイターでも気温31.4度。普通の人が嫌がる「天然サウナ」を効果的に利用して、思惑通りの逆転勝利で2つ順位が上だったガンバ大阪に勝ち点1差に迫った。最下位脱出も時間の問題だ。 

「3点とったけど、僕の気持ちは次の試合の勝利しかない。チームは若い選手が多いが、W杯の中断期間中にしっかり練習して、だいぶ自信になっている」とジョーにはじける笑顔はない。

 次節11日の鹿島戦で今季初のリーグ戦3連勝を飾れば、降格圏から抜け出す道も開けてくる。

(取材・文 林健太郎)
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