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[MOM2575]東福岡MF篠田憲政(3年)_例年と違う色持つ「ヒガシの10番」。相手の190cmFWを封鎖!

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東福岡高の10番MF篠田憲政は守備面で抜群の貢献度

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.7 総体1回戦 東福岡高 2-1 矢板中央高 鈴鹿]

「ヒガシの10番」。近年、それは全国トップレベルの技巧を持った選手が背負ってきた。昨年はG大阪で開幕先発デビューを飾ったMF福田湧矢が背負い、一昨年は現磐田のMF藤川虎太朗、全国2冠を達成したその前年はMF中村健人(現明治大)、そしてMF中島賢星(現岐阜)……。彼らと比較すると、今年の10番は毛色が違う。それでもこの日、名門・東福岡高の10番MF篠田憲政(3年)は自分の特性を最大限に活かして強豪対決勝利に貢献した。

 プリンスリーグ関東で無敗首位を走る矢板中央高との1回戦最注目カード。「ヒガシの10番」は相手の190cmFW望月謙(3年)を空中戦で封じ込んで見せた。そして、1ボランチの位置で潰し役となり、攻撃面では右クロスからクロスバー直撃のヘディングシュートを打ち込んだ。

 特に目立っていたのは空中戦の強さだ。望月は自身よりも10cm以上長身だったが、「あのFWにはずっと負けたくなかったです」と組み合わせが決まった時から意識していたFWの前でボールを弾いてほとんど触らせない。雄叫びを上げながら跳躍し、競り勝つ「10番」がチームに勢いをもたらしていた。結果、注目FW望月は前半30分で途中交代。矢板中央の戦術的な部分もあったかもしれないが、思うようなプレーをさせないまま「負けたくない」相手を交代させたことについて、篠田も「気持ち良かったです」と微笑んでいた。

 森重潤也監督が「190cmの相手にも競り勝てるものを持っている。要所を締められる選手」と評する篠田は、前半からかなり積極的に跳躍を繰り返していたことにより、後半は矢板中央のもう一人のタワーであるFW大塚尋斗(3年)に苦戦した。それでも試合終盤は3バックの中央に入って落ち着いた守備。存在感あるプレーでチームを勝利に導いた。

 新人戦九州大会決勝で0-3から気迫のプレーで1点をもぎ取るなど、チームの逆境だったり、劣勢の展開で一際頑張ることのできる選手でもある。本人は過去の10番との違いに悩んだ時期もあったようだが、2学年上の先輩・藤川から「オマエのいいところがあるからそれを活かして行け、今までの10番は気にしなくていいから、オマエのできることで引っ張れ」とアドバイスを受けたり、福田から声を掛けてもらうことで自分がどうすればチームに貢献できるかを整理。もちろん、中盤の要としてボールに絡みながら、流れが悪い時にヘッドで大きく跳ね返すプレーで流れを変えて見せるなど、自分にできるプレーでチームを引っ張っている。

 今大会の目標は3年ぶりのインターハイ制覇。18年の「ヒガシの10番」は今後も自分の持ち味を出し続けて頂点を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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