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[MOM2576]日章学園GK小原司(3年)_昨年の総体の悔しさからの成長を見せつけたPKストップ!

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日章学園高GK小原司(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.7 総体1回戦 日章学園高2-2(PK4-1)仙台育英高 四日市]

 試合中のPKを1本、そしてPK方式に入ってから2本。日章学園高(宮崎)のGK小原司(3年)が、1試合にPKを3本止める活躍でチームを勝利に導いた。

 セービングだけではない。試合開始からキックのパワーと精度を見せつけ、観客をうならせる。「昨年まではキックのよさを出せる部分と出せない部分があった」。1年を経過してどの試合でも安定したパフォーマンスを発揮できる術を身につけた。

 先制できそうでできなかった前半を終えて後半に入った直後、日章学園はPKを与えてしまう。だが、ここでも小原がキックを“キャッチ”して雄叫びを上げた。だが、全てが上手くいったわけではない。セットプレーから同点にされ迎えた後半23分、CKのボールをファンブルしてしまい逆転ゴールを与えてしまう。

「自分のタッチミスで失点してしまってチームのムードを下げてしまった」

 だが、アディショナルタイムに味方が同点に追いついてくれた。もともと「試合中は感情が高まるタイプ」だという。名誉挽回のPK方式のチャンス。1人目は右に、2人目は左に飛んで完璧にセーブ。キック前に後ろを向き、ゴールネットに触れるルーティンで気持ちを高めた。

「PKは相手との駆け引き」と言い切る。総体のPKには苦い思い出がある。2年生で出場した昨年の大会は富山第一(富山)と1回戦で戦いPK方式で負けた。その時の悔しい思いから1年、心身ともに鍛え、成長した姿を同じ総体で見せつけた。

 県予選は無失点。「ディフェンダーとコミュニケーションを密に取ってきて、どれくらいやってもらえれば守り切れるかというラインがはっきり見えている」という。だが、この日は2失点してしまった。「次の試合ではショートも打たせず、失点をしない。1-0でも勝てる試合をしたいです」。小原司の雄叫びを見られる機会はそうなさそうだ。

(取材・文 伊藤亮)
●【特設】高校総体2018

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